第一話「旅立ち」
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るでしょう?」
「そこまでしねぇよ!?いや、どうだろう?」
「そこは全否定してください。余計縛らなきゃいけないでしょう」
「ヤメテ!出ちゃう!中身出ちゃう!」
「丁度良かったですね。アリスさんとパチェさんが貴方のサンプルが欲しがってましたよ」
「この外道共め!で、何がどうしてこうなった?」
抵抗するのを諦めたのか、悠の体から力が抜ける。
「転校、いや、職場異動です」
「は?今度はアレ?竹林の姫様の思いつきか?」
「残念。理事会の総意っぽいです」
ユーリのバッサリと切り捨てるような言葉に多少の抵抗を試みた悠は固まった。
小鈴は半目、いわゆるジト目な視線を読みかけの本から外し青年に向けた。
「貴方だけじゃ無いですよ。他にもここから何名か出す予定だそうです」
「……紅白や黒白も?」
「まだはっきりと決まってないそうです。それで先ず貴方から送り出そうって訳ですよ」
「何でまた俺が……。理事会の認定する『異変』は、だから嫌なんだよ。いっつもいっつも、俺にお鉢を回しやがって」
「向こうに警戒されないためですよ。『私達』はあまりにも個性的ですから。そこで、何の変哲もない極々普通の容姿の貴方の出番です。見た目はですが」
「そりゃどうも」
ぶっきらぼうな青年の態度を見て、ユーリと小鈴はため息をついた。
と、その時、店の戸が開いて一般的な日本人の黒い髪に花を模ったヘアバンドをつけた少女『稗田阿求』が一人入ってきた。
「ヤッホー!やはr」
「やあ、悠。中々、面白いことをしてるじゃないか」
店の暖簾を掻き分けて来店した人物が何か話そうのした瞬間、店の中に別の声が響いて中断される。
それは、赤い双眼に黒い翼、そして水色の髪にピンク色の服装。500年生きた吸血鬼、『レミリア・スカーレット』だった。
「そおい!!」
阿求が手に持っていた分厚い本を投げると、それは見事にレミリアの眉間にクリーンヒットした。
「ひでぶっ!?」
阿求は、落下したレミリアに駆け寄ると、両手に先程投擲した物と同じ分厚さの本を握った。
「お前が、灰になるまで、打つのを、止めない!!」
「ちょ!それ、聖書でしょ!?鈍器じゃないから!読む物だから!!」
しかし、レミリアの悲痛な叫びは阿求の耳には届かず、馬乗りになって幾度も聖書を振りかざす。
「もうやめて!レミリアのライフはゼロだから!」
「阿求!落ち着きなさい!」
小鈴とユーリが慌てて阿求をレミリアから引きはがすが、すでに遅く、レミリアは隅っこで体操座りをして真っ白になってしまった。
「で、いい加減説明してくんない?」
未だ縛れたままの悠の言葉に、阿求は正気を取り戻したのか、姿勢を正した。
ソレに釣られ、
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