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東方調酒録
第三夜 十六夜咲夜は管を巻く
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レミリアがマフラーを咲夜に渡した。
「少し前から隠れて霊夢に教えてもらってたの、 それで今日完成させようと思って一人で行ったのよ」
「そうだったんですね! お嬢様ー! 」
咲夜がレミリアを抱き上げた。レミリアは、ちょっと!おろしなさいよ!と言いながら咲夜の頭を叩いた。
「でも、 今日は特別な日とかじゃないですよね?」
「私が編んでみたいと思ったのよ。 それに私がプレゼントを渡せば、その日が記念日でしょ?」
「はい! 仰るとおりです!」
咲夜はとても嬉しそうだ。
「さぁ、 帰るわよ」
「はい、 お嬢様! ああ、それから悠様」
「はい!?」
ポカーンとしていた悠が慌てて返事した。
「本日は大変お騒がせ致しました。 こちらが料金です。 ご馳走様でした」
咲夜が優雅に礼をした。
「あ、はい……」
「じゃあーね! 今度は私も飲みにくるわよ」
そう言い残し咲夜とレミリアは帰っていた。一人残された悠は一気に疲れが襲ってきた。悠はドアを開け外に出てライトを消した。もう閉店するようだ。悠は仕事をする気力はもうなかった。店内に戻り、スイカを持ち上げ、
「お前も災難だったな」
と呟いた。

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