第二十四話 少年期F
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以内に見つけることだ」
俺が10年という期限を決めたのには理由がある。俺の1番は、アリシア達と幸せに暮らすことだ。それに、なのはさんとはやてさんを最悪から救うことが含まれてくる。闇の書に関する知識がしっかり広まっているだけでも、原作崩壊に繋がるのかを検討したい。それにもし何か方法が見つかったのなら、試してみたい。
さきほどのメモに書いてあった『ピチュる』の意味は、グレアムさんが闇の書の主であるはやてさんを永久凍結させようと奮闘していたからだ。彼は2人の使い魔とたった3人で、管理局生命の多くを費やしていた。
その理由は確か、クロスケ君の父親で、リンディ提督の夫であるクライドさんという人の死が原因だったはず。俺も詳しくは覚えていないが、闇の書が原因だったことは確実だ。復讐か償いかはわからないけど、グレアムさんは彼の死を、闇の書を忘れられなかった。
だけど俺にとって重要なのは、闇の書事件が確実に原作が始まる前に1度起きることだ。クロスケ君の原作での年齢は14歳。そして父親のことも薄く残っていたはずだ。子どもが物心をつきだすのはだいたい3歳ぐらいだと仮定すれば、原作の10年前に起こる可能性が高い。
それは、はやてさんの手に闇の書が渡る前に、試すことができるということだ。もし成功すれば万事解決で、無理だったとしても残り10年でその時の失敗を糧に考えることができる。
かなりひどい考え方だろうし、ヴォルケンリッター達のことを考えると辛いけど……当面はこの方針で進むしかない。
もう1つのリリカル物語の起点となる事件。どれだけできるかはわからないけど、頑張ってみよう。もう原作のような終わりにならないとわかっている分、思いきれる。俺なりに介入して、1つでも変えていく。
もしクライドさんが助かればどうなるのか。もし闇の書の暴走を止められたらどうなるのか。もし、闇の書の因縁を終わらせられたら……。それらがいい方向に向くのか、悪い方向に向くのかはまったくわからないことだけど。
「それでも、できることをやっていくしかない」
俺は新しいメモ帳にこれまでのことをまとめていた手を止め、ベランダから空を見上げる。どこまでも澄み渡った青空が、ずっと俺の目に焼き付いた。
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