第二十四話 少年期F
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関係に関わりさえしなければ、平穏に暮らすことができるはずだ。だから、特に高町家には手を出す必要はない。なのはさんのお父さんが大けがをするっていう場面や、1人で悲しむ彼女が気にならないわけではないが、それは考慮に入れるべきじゃない。
少なくとも父親は生きているし、彼女なら魔法がなくてもいつか乗り越えていけるだろう。魔法関係者である俺が、接触する方が駄目だ。なら、俺はなのはさんには関わらない。それが1番だと思う。
だけどはやてさんは……彼女に関しては介入せざるをえない。彼女はあの状況では、どうしたって魔法関係者として生きていくしかない。闇の書の主に選ばれた少女。壊れた魔導書。復讐者の存在。間違いなくこれが最大の壁だった。一番厄介なものだと断言できる。
だけど、そのおかげで理解も早かった。諦めたともいう。俺が立ち向かわなければならない相手は、『闇の書』であることだとわかったのだ。闇の書の防衛プログラム。これさえなんとかできれば、なのはさんもはやてさんも生きていけるし、地球も滅亡しない。なんともわかりやすいラスボスである。泣きたい。
さて、ここまで考えてみたが、具体的な対応策はまだなかったりする。ガチンコで防衛プログラムを消し飛ばす! なんて方法が俺にできるわけがないのだ、……原作のように。なにより原作と同じような展開になるなんて、もはやありえないのだから。
……いや、待てよ。ちょっと考えてみよう。原作と同じにはならないだろうけど、原作と同じ道筋になるように俺が手を加えるようにしてみたらどうだろう。確かに奇跡みたいな解決方法だったけど、無印を俺が起こして、A’sに突入するという流れならいけないかな?
白き不屈の少女は、愛機を持つ手を静かに下げる。目の前に輝く青き宝石は、先ほどまでの暴走を制止し、静かに光を放っていた。彼女は強大な魔力の爆発を起こし、6つのジュエルシードを一気に封印してみせたのだ。無事に封印できたことへの安堵。ゆっくり浮かび上がってくる宝石を見つめながら、少女はもう1人封印に協力してくれた相手を見る。
少女と同じように空をかけ、何度もぶつかった相手。どうして戦わなければならないのか、それを問いかけても答えてはくれなかった。それでも今はこうして、少しの間とはいえ一緒に空を飛ぶことができた。
少女の視線に気づいたのか、相手も彼女と目が合う。戸惑いを浮かべる相手に、少女は微笑む。ようやくわかった自分の気持ち。辛いことも悲しいことも「ともに分け合いたい」のだと気づいたのだ。だから少女は言葉にする。思いは相手に伝えなければ伝わらないから。自身の思いを言葉に乗せ、まっすぐな気持ちを伝えた。
「友達になりたいんだ」
1人の笑顔のきれいな少女(9歳児)は、30代ぐらいのおっさんに向け
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