第三十四話
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れの妹君がおられるはず、このことを存じている者はそう多く無いと思いますがわたしは存じております、付け加えるならば士官学校に招かれるまでグランベルに足を踏み入れたことはございません。そして妹君は今13〜14の齢のはず」
「…な…なぜ…それを御存じなのです?」
クロード神父は初めて、自身の感情を俺の前に晒したのでは無いだろうか?
「話せば長くなりますが……」
俺は自分が異世界人であること、ゲームの話ではなく俺の世界の神話としてこの世界があると脚色をして語った。
「にわかには信じがたいことではありますが……レンスター王国が優れた諜報機関というのをお持ちで調べあげたと私が申したらどうされます?」
「それならば、こんな回りくどい方法で神父さまに伝えようとせずに、もっと平易な方法で情報を提供し神父様に恩を売っていたと思います」
「そうですよね……わかっていても、そうであって欲しいと思うがゆえそう尋ねてしまいました。
そして、妹は今、どうしているのです?」
「一年近く前ですが、偶然保護することが出来ました」
俺はシルヴィアとの出会いを語り、今はシアルフィで世話になっていることも知らせた。
「あぁ……あなたを疑うこと無く信じることが出来れば、今、私は飛びあがって喜んでいることでしょう……」
「真偽を見分ける方法は神父様ご自身がよく御存じのはずです」
「……そうですね、そこまでお見通しとは。しかし、確認させてください、人を疑うなど聖職者としてあるまじきことを先程申しましたが…それでも、なお……」
「……クロード様の家、エッダ家に伝わる杖に問うてみていただくことが真偽を見定める確実な手段と存じております。それに彼女の体のどこかに聖痕があるやもしれません。
あの時我慢せずに確かめればよかったか……いや、それはよくない……あったとしても形がわからねば判別も難しいですよね。
わたしにはノヴァの小聖痕がありますが、知らない人にはただの痣にしか見えないでしょうしね」
俺は左手の親指あたりにあるノヴァの末裔を表す控えめな聖痕を示した。
……そうして俺はクロード神父の聖地巡礼の随員に選ばれた。
--四章おわり--
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