第三十四話
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
女の子の友達が出来た。
そんな程度の軽い報告にしておいた。
やっぱり照れちゃうよね…ほとんどありのままで理解されそうな気もするけれど。
新しい学年になってからは座学に神学の時間が加わり、ありがたい説教の時間が加わった。
俺は信仰心は薄いほうだが体裁を取り繕うのはそれなりに技量を磨いてきたつもりだったので問題の一つも起こさないとタカをくくっていた。
だがやはり向こうもプロなので見透かされてしまうこともままあった。
本心を偽って信心深い振りをするほうが罪深い…たしかにそうなのだが、ではどうすればいいものか!
俺の信仰心が薄いのが幸いしたのかどうかわからないが、会ってみたい人物が神学の時間にやってきてくれた。
誰あろう、クロード神父だ。
講義の方は態度だけ真面目に受けはしたが早く終わらないかとやきもきしていた。
「……では、本日の話はここまでにします。質問のある方はいつでも講師室にいらしてください」
すぐに追いかけるのも不審であったので、昼食休みの時間に彼のもとを訪れた。
挨拶もそこそこに
「歩兵科のミュアハ候補生です。クロード様、ご質問よろしいでしょうか?」
「……ええ、もちろんですよ」
なんとも魅きこまれそうな慈愛に満ちた眼差しをこちらに向けてくれた。
「……じつは、懺悔を行いたいのです」
「そうなのですか。しかし、バーハラ市街にもここにも礼拝所や教会はあるのですよ、今日のあなたの務めが引けたあとにでも訪えばよろしいでしょう」
「はい、しかし、いま、すぐにでも行わないと意味の無いものですから…」
「……どうやら事情がありそうですね。よろしいでしょう、救いを求める者にいついかなる時も閉ざされた門など無いのが神の教えです」
「ありがとうございます」
場所を移して俺はグラン歴757年から始まる出来ごとを語っていった。
もちろんディアドラの出生の秘密にアルヴィスのロプト教との繋がり、クルト王子が謀殺されバイロン卿とリング卿が下手人に仕立てあげられ、シグルドさんもまた討たれること、その時にクロード神父も巻き込まれてしまうことも、兄上とねえさまも悲惨な運命に追い込まれることもだ。
「……恐ろしいお話ですね。神は全て聞き届けられました。そして、謂われなく人々を誹謗することのあやうさをあなたにお示しくださることでしょう…。よろしいですね?」
「今起きても居ないことを神父様に信じていただけないことは重々承知しております。ただ、これは神の代理人としてでは無く一人の人間として聞いていただきたいことがあるのです」
「……まだ何かあるのですね?」
彼の穏やかな声は相変わらずだが、きっと心の奥では多少なりとも呆れや失望があると思う…
「神父さまには生き別
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ