暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
SAO
〜絶望と悲哀の小夜曲〜
骸骨の刈り手
[2/3]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
た。
だだっ広い床全体に注意を払うが、ボスは一向に出現しない。
限界まで張り詰めた神経を焦らすように、一秒、また一秒と時間が過ぎていく。
「………おい───」
誰かが、耐えられないという風に声を上げた。
その時――
レンの耳に何かおかしな、異音とも呼べる音が聞こえた。
ボス部屋での異音は、まず間違いなくボスの立てる音だ。だが、部屋のどこにもその音の主はいない。
まさかカメレオンじゃあるまいし、周りの風景に同化している訳ではないだろう。
レンは黙って、聴覚に神経を集まらせる。
SAOでは鼓膜を震わせずに脳で聞いているため、正確には耳を澄ましてもあんまり意味はないのだが。《聞き耳》スキルを取っていれば更に完璧なのだが。
かしゃかしゃ、という風に乗ってくる微かな音。その出所は───
「上よ!!」
アスナが叫び、全員がハッとして頭上を見上げる。
そして、ドームの天井に張り付くソレを見た。
巨大だ。とてつもなくでかく、長い。
───
百足
(
むかで
)
!?
見た瞬間、そんな思考が脳裏ではじけた。
全長は十メートルほどもあるだろうか。複数の体節に区切られたその体は、しかし、虫と言うよりは人間の背骨を思い起こさせた。
灰白色の円筒形をした体節ひとつひとつからは、骨剥き出しの鋭い脚が伸びている。その体を追って視線を動かしていくと、徐々に太くなる先端に、凶悪な形をした頭蓋骨があった。これは人間のものではない。
流線型に歪んだその骨には二対四の鋭く吊り上った眼窩があり、内部で青い炎が瞬いている。大きく前方に突き出した顎の骨には鋭い牙が並び、頭骨の両脇からは鎌状に尖った巨大な骨の腕が突き出している。
視線を集中すると、イエローのカーソルとともにモンスターの名前が表示された。【The Skullreaper】──骸骨の刈り手。
無数の脚を蠢かせながら、ゆっくりとドームの天井を這っていた骨百足は、全員が度肝を抜かれて声もなく見守る中、不意に全ての脚を大きく広げ───パーティーの真上に落下してきた。
「固まるな!距離を取るんじゃ!!」
シゲクニの鋭い叫び声が、凍りついた空気を切り裂いた。
我に返ったように全員が動き出す。レン達も慌てて落下地点から慌てて飛び退る。
だが、落ちてくる骨百足のちょうど真下にいた三人の動きが、僅かに遅れた。
どちらに移動したものか迷うように、足を止めて上を見上げている。
「こっちだ!!」
レン達とは反対側に逃げていたキリトが慌てたように叫ぶ。その声に、呪縛の解けた三人が走り出す───
だが、その動きは緊張と事態の異常性に付いていけていないせいか、明らかに遅い。
対しての骨百足、改めス
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ