第7話 再会
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なげうったことを!」
牧石は驚愕して、声も出なかった。
「お兄さまは、一家が離散した日から、たゆまぬ努力を続けました。
何も知らない無邪気だった私と交わした約束を果たすために」
真惟は牧石に約束の内容について口にすることはなかった。
「それから、お兄さまに力を貸した作家さんの提案で、このサイキックシティで暮らすことになりました。
今の幸せな生活が過ごせるのは、全てお兄さまのおかげです」
真惟は満面の笑顔で答えた。
「そ、そうか」
牧石は、少し顔をひきつりながら答えた。
目黒の主人公っぷりに、牧石は驚愕を通り越してあきれていた。
そして、牧石も巻き込まれた詐欺事件に、目黒があそこまで介入した理由も改めて理解した。
「牧石さん、私のほうからも、前から気になっていた事を質問してもいいですか?」
牧石の考えをよそに、真惟が牧石に質問してみた。
「あ、ああ、聞いてくれて構わない。
答えられる範囲内で答えてみせるさ」
牧石は、普段の表情に戻して真惟に答える。
「牧石さんはどうして、電池を交換しないのですか?」
「?」
牧石は、真惟の質問が理解できなかった。
「その携帯電話付いている葉っぱのストラップですが、電池が切れていますよ」
牧石は、携帯電話のストラップを眺めた。
これまでと変わりなく、黄色の葉っぱだった。
「いつもと変わらないけれど……」
牧石は、真惟に問いただす。
「牧石さん。
そのストラップ、電池が切れると黄色くなりますよ」
真惟は、胸元から、サイカードを入れている
パスケースを取り出した。
そこには、緑色の葉っぱ型ストラップが付いていた。
「普通は半年ほど電池が持つそうですけれども、最初から付いている電池の寿命はかなり短いようですね。
交換用の費用で企業がもうけているという都市伝説もあるくらいですから」
「そ、そうか」
牧石は、疲れたような表情でうなずいた。
「牧石さんは、すごいですね」
真惟は、感心している表情で牧石を眺めていた。
「何のこと?」
牧石は、訳が分からないとばかりに質問する。
「気づいていなかったとはいえ、心を覗かれ放題の状況でこのサイキックシティで生活していたという事に感心しました」
「……」
牧石は、恥ずかしさで下を向く。
このまちでサイリーディング能力を持ち、しかも牧石の考えをのぞき込もうとする人などほとんどいないと思う。
いや、そう思いたい。
牧石の考えを遮るように、真惟は牧石に話しかける。
「牧石さん。
ここでお別れになります。
今後とも、お兄さまのことよろしくお願いします」
真惟は頭を下げると、中学校への道を急いだ。
残された牧石は、大きなため息をつく。
「目黒も、実と義
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