第5話 花火大会
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る。
「……」
「……」
再び、二人の間に静寂でつつまれる。
先ほどの登流乱れ七変化改が花火大会のフィナーレだったのか、外からの音も聞こえない。
「帰るか」
「うん」
牧石は、懐中電灯を灯すと、帰り道へと向かった。
牧石と、黒井は待ち合わせに使用したファミレスの前にいた。
「これで、お別れだな」
「うん」
黒井は疲れた表情を見せていた。
目黒のアドバイスにより、黒井は登山杖を用意していたのだが、結局最後は牧石が黒井を背負った。
「大丈夫か、黒井?」
「うん」
「じゃあ、気をつけてな」
牧石は手を振って帰ってゆく。
黒井は、「ありがと」と小さくつぶやいたが、牧石には聞こえることはなかった。
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