第4話 研究所
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とって、この研究所は、なじみ深いものであるが、一般のサイキックシティの住民にとっては、普段立ち入ることのできない場所である。
併設する学校の生徒や、牧石たちのように毎月一回の測定に来る人ぐらいしかいないのだ。
当然、入場できる場所には制限がかかるが。
「そうか、じゃあ入るか」
牧石は、皆を見渡してから、先んじて研究所の中に入ろうろする。
そんな牧石の前に、一人の男が立ちふさがった。
「牧石君」
「お久しぶりです、篠原さん」
牧石は、知り合いの警備員に挨拶すると、先に進もうとする。
「待ちたまえ、牧石君」
篠原は、牧石の肩に手をおいた。
「なにか、ご用ですか?」
牧石は、振り向いて篠原に尋ねた。
「受付が済んでいないよ」
篠原はにこやかに答えた。
「……、すいません」
牧石は、自分が外部から来た来客者であることを失念していた。
牧石は、頭をかきながら受付に向かったが、
「みんなは行かないの?」
と、うしろにいる福西たちに質問する。
「先ほど済ませました」
真惟は、手を挙げて答えて、
「二人で待っている間に済ませました」
迫川は、うれしそうに答えて、
「牧石が先に行ってもいいと言うのなら」
福西は、あいかわらず、ずれた答えを返してきた。
牧石は、受付を済ますと、再び4人の先頭にたって研究所を案内する。
牧石は、さっそく、能力を測定するためにコンピュータールームへと足を進める。
「さて、コンピュータールームに行くぞ!」
「コンピュータールームですか?
あの伝説のコンピューター「エキドナ」が置いてあるという部屋ですね!」
真惟は、うれしそうな表情で説明する。
「エキドナ?」
牧石は、真惟の言葉に違和感を覚えて、質問する。
「牧石さん、私をからかうのはやめてください。
サイキックシティの人なら誰でも知っていることです」
真惟は、疑問の表情を牧石にむけた。
「……そうだな」
牧石は、ここに置いてあるコンピューターをツリーダイヤグラムだと思っていた。
そういえば、アニメでは人工衛星に搭載されていたことを思い出して、牧石は納得した。
コンピュータールームの目の前に到着したとき、牧石に声をかけた人がいる。
「牧石さん」
「神崎さん、お久しぶりです」
牧石は、白衣を身につけた女性に丁寧に挨拶する。
神崎は、磯嶋と中の良い研究員で、たまに牧石も一緒になって食事したことがある。
「牧石さん、どこに行くのですか?」
神崎は、すこし間延びした声で牧石に尋ねた。
「コンピュータールームですが、何か?」
牧石は目の前の扉を指し示しながら答える。
「あそこは、一般の人は立ち入り禁止ですよ」
「えっ?」
牧石は、神崎の言葉に驚いた
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