暁 〜小説投稿サイト〜
とある誤解の超能力者(マインドシーカー)
レベル4 めぐろ の いもうと
第1話 飛行船
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が、研究のためという理由があったからで、牧石を使用した研究が中止された現在、牧石が研究所で寝泊まりする必要性は全くない。

牧石も、保護者である磯嶋が休暇で不在となったことから、研究所の職員から受ける厳しい視線に疲れを感じていた。

牧石を胃袋の面で支えていた小早川さんからも、
「さすがに、今の状態で、これまでどおり、無料で食べさせてあげることはできないわ」
と、申し訳なさそうな顔をしていた。


牧石も、研究所を出る時が来たと考え、牧石の通う高校が斡旋しているワンルームマンションに引っ越すことにした。

牧石は未成年で、保護者である磯嶋がいなかったが、学校が身分を保障してくれたので、すぐに借りることができた。

牧石の引っ越し作業も、すぐに終わった。
研究所から近いこと、もともとの荷物の量が少なかったことから、研究所から借りた台車を2往復させただけで、牧石の引っ越しは終わった。

牧石は、磯嶋に報告したかったが、メールも電話もつながらないため、研究室に世話になったお礼と、新しい住所について書き置きをした。


牧石は、引っ越しをした先のワンルームマンションでこれからの事を考えていた。
超能力の基本的なトレーニングは、携帯電話にインストールしたアプリケーションで対応できるのだが、これまでのような成長を望むことはできないと、牧石は考えていた。

かといって、研究所に入り浸ることもできない。
目黒や福西、迫川が研究所に通っているのは月に一度であり、それも訓練が目的ではなく、超能力の測定が目的であった。

牧石は、自分が急に研究対象からはずれた理由がわからなかったが、元の世界に戻るためには、さらなるレベルアップが必要となる。

幸いレベル6に到達するには、あと2レベルとなっており、訓練方法さえ間違えなければ、問題なく到達するだろう。
あの神様の言葉が正しければ。



牧石は、いろいろ考えた結果、何も思い浮かべることなく、今日を迎えた。
今日は、目黒たちと遊園地で遊ぶことになっていた。
だが、遊園地で遊ぶ計画は、牧石が考えていたものと大きく違っていた。


牧石は、待ち合わせ場所に滝山マリヤの姿を確認した。
牧石は、滝山を実際に目にするのは初めてであったが、クラスメイトから伝え聞いた情報や、ポスターに掲示された写真を見たことがあったことから、見間違えることはなかった。

牧石は、制服姿ではなく白のワンピースに麦わら帽子という、いかにも令嬢らしい姿の滝山を眺めながら、ポスターに掲示された滝山よりも実物の滝山のほうが魅力にあふれていると、牧石は思った。

そして、牧石に対していらだちの視線が向けられていることに気づく。
それは、いつも以上に気合いを入れておめかしをした、樫倉からの視線
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