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とある誤解の超能力者(マインドシーカー)
第7話 終業式
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残っているのは、悲しみに打ちひしがれている目黒と、目黒の事を心配しながら、なんて声をかければいいのか悩んでいる樫倉と、用があるのかないのかわからないが無表情のまま座っている黒岩だけだった。

牧石は、黒岩の事を最初に考えたが、目黒が余りにも落ち込んだ表情をしているので、見ているのも耐えかね、声をかける。
「そう気を落とすな目黒。
俺たちの夏は、まだ始まったばかりだ」
「牧石。
その夏休みは、潰えてしまうのだよ」
「大丈夫だろ?
講習も2週間だから、1ヶ月は残っているだろう?」
牧石は、戸惑いながら質問する。
目黒が忙しくなった理由のひとつである、事件解決による慌ただしさも、ひと段落ついたと聞いている。

目黒のメディア露出について大いに乗り気であった学校側も、学生の本分である学業がおろそかになっていることを知られたらまずいと考えて、当面予定を入れていない。

その事を牧石が指摘すると、
「それ以外にも、用事があるのさ。
君のようにうまく、出演を拒否すれば良かった。
委員長といつの間にか一緒に勉強して、ちゃっかり補習を回避した牧石君は違うね」

「それなら、樫倉さんに勉強を見てもらうように頼んだら?」
牧石は、樫倉に視線を移しながら答える。
「何を言っている牧石。
俺が、そんな馬に蹴られるような事できるか」
目黒は、牧石の提案を即座に否定する。

「なぜ、馬に蹴られる?」
「人の恋路を邪魔する奴が、たどる運命だよ」
「?どうして、目黒がたどるのだ?」
牧石と目黒は、お互いに意志疎通ができていないことを感じながらも疑問をぶつけあう。

「委員長が忙しい中、牧石の為に必死で勉強を教える。
その理由は、委員長が牧石の事が好きなのだろう?」

「違う!」
樫倉は牧石からの視線に気が付いて、牧石達の方に近寄っていたが、目黒の言葉に反論する。

牧石も、樫倉の言葉にうなずきながら、
「何を言っているのだ、目黒?
樫倉さんが好きなのは……」
牧石が続きを言う前に、樫倉が牧石の背後に回り、牧石の首に左腕を回して、右手で握っているシャープペンシルを右耳の穴に近づけていた。

「それ以上は、言うな!」
「か、かしくらさん?」
牧石は、自分の置かれている状況を把握しようとする。

「……従ってくれるよな、牧石?
こうしなければ、君に明日はない……」
樫倉は牧石にゆっくりと諭すように話しかけた。
「……わかっています」
牧石は黙って頷く。
牧石は、樫倉に触れているので、樫倉の言葉が真実であることを、嫌になるくらい理解している。
牧石もせっかく転生で得た命を、ここで散らすつもりはなかった。

樫倉は、牧石の素直な態度を確認し、両手をはなす。

「……ところで、今度の日曜日だが
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