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とある誤解の超能力者(マインドシーカー)
第5話 超能力者が魔法世界に召喚されたようです
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ら、背を向けることは無理だろうね」
余裕の笑みを浮かべる。

「その余裕はどこから来るのかしら」
「さあ、どうでしょう?」
「戦闘開始よ」
女性のかけ声で戦いははじまった。


「あっけないものね」
「4対1でわね」
「制限解除したら、こんなものよ」
3人の女性たちは、地に伏せ、血を流すフェゾが瀕死であることを確認し、満足そうな表情を浮かべていた。
「これで、気分は晴れたかな?」
後ろから中年女性の声に振り向いた3人は不満そうな声を漏らす。

「納得いかないわ。
神に見放された私を支えて死ぬまで働いてもらわなくては」
「伝説のKATANAを入手するまでは、こき使うつもりだ」
「先ほどの戦いで壊れた城を、復元してもらうまで、放すつもりはありません」
3人の女性はお互いに、視線を交わして相手を牽制する。

「申し訳ありませんが、時間ですので帰ってもらいます」
中年の女性は、申し訳なさそうな声で3人に謝る。

三人はさらなる喧噪を発したが、中年の女性に言語として届く前に、もとの場所に帰還させられた。

「さて、この氷の奇行師をどうしましょう?」
「決めていないのかね?」
背後から、先ほど倒したばかりのフェゾの声がした。

「分身の術?」
振り返った女性の視線の先には、無傷な状態のフェゾがいた。
「まあ、そのようなものだが、おそらく勘違いをしていると思う」
「勘違い?」
「まあ、もうすぐでわかるだろね」
無傷なフェゾは、ゆっくりと女性のもとに、途中平然と自分と同じ身体をしたものを踏みつけて、反時計回りに近づいてゆく。
「1対1ならどうだろうね」
「私にも、攻撃手段はあります」
中年の女性は、先ほどの戦闘で使用した、重火器を取り出す。
威力は絶大で、瀕死の状態になる前のフェゾの動きを止めていた。

「食らいなさい!」
中年の女性は、死なない程度の威力に押さえた重火器の攻撃を無傷のフェゾに放った。
「そうだね、いただきます」
無傷のフェゾは、重火器の攻撃範囲を無視するようにゆっくりと女性のもとに向かう。

「バカな、死ぬ気なの!」
「自分としては、死ぬつもりはないのだが」
「!」
女性は、自分の背後の気配に振り向いたが、同時にすでに遅かったとあきらめの表情をみせる。

「まさか、君が本物なの?」
「本物という言葉には少し不満だが、あちらの方が偽物であることは間違いない」
瀕死のフェゾは、弱々しい声で、女性にささやいたが、女性を放さないようとする力は強かった。

「覚悟は、良いかな?」
「わかったわ。
……、優しくしてね」
「わかっている」
フェゾは、女性に抱きつくと口づけを交わした。


口づけを交わしたとたん、フェゾの身体が光輝き始める。

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