第2話 保健委員会
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」
委員長の言葉は、牧石に好意的だった。
「今日の議題は、来週行われる献血への参加についての呼びかけだ。
スクリーンを見てくれ、鈴科君説明を頼む」
委員長であろう男子生徒は、隣に座るショートボブの女子生徒に声をかける。
「今回の活動についてですが、大きく二つの……」
鈴科から10分程度にわたり今回の献血活動の意義と目的、保健委員が担うべき役割と役割分担である係りの業務について説明がおこなわれた。
鈴科の説明が終わったあとで、冒頭に挨拶をおこなった委員長の火野が係の編成を行った。
係については、火野委員長が名簿を見ながら、手際よく指名した。
牧石は早朝における資料の配付係に指名されていた。
「係の編成表については、後ほど送付する。
係のリーダーに指名された者は、先ほど鈴科から説明があったように、委員会終了後、引き続き第1回統括運営会議を開催するのでここに残っておくように。
次の議案だが、・・・・・・」
その後、順調に議案が進行して、15分後に会議が終了した。
「・・・・・・以上で会議は終了だ。
引き続き、第1回統括運営会議を開催する。
該当する者は引き続き残ってくれ。
それ以外の者は、お疲れさん。
早く下校するように」
火野委員長は抑揚の押さえた口調で、解散を宣言する。
牧石を含めた8割程度の委員は席を立ち、会議室を後にした。
「黒岩さん」
牧石は、自分の前を歩く黒髪を揺らしながら歩く女子生徒に声をかける。
黒岩は、足を止め牧石の方に振り向く。
綺麗な黒髪が宙に舞った。
「……」
相変わらず、黒岩は無言、無表情で牧石を眺めていた。
「さっきはありがとう教えてくれて。
忘れてしまうところだったよ」
牧石は、頭をかきながら黒岩にお礼を言った。
「……」
黒岩は、ほんの少し頭を上下に動かした。
黒岩の表情は変わらない。
「……」
牧石は、続ける言葉も思い浮かぶことも無く黙ってしまった。
「……」
ほんとうに、ほんとうにわずかに黒岩の表情が動いた気がした。
「どうしたの、黒岩さん?」
黒岩は、牧石に背を向けると、振り返ることなく早足で外へ向かっていった。
「大丈夫かなぁ……」
牧石は、しばらくそのまま立ち尽くしていた。
「磯嶋さん」
牧石は、これからのことを相談するために、磯嶋の研究室を訪ねていた。
牧石と磯嶋は、牧石の透視能力を制御するために、試験勉強と平行して訓練を行っていた。
猛特訓とも呼んでも差し支えないほどの訓練により、能力の制御が終わったが、サイポイントはほとんど上昇しなかった。
夏休みが近づいていることから、夏休み中にはある程度能力を上げたいと牧石は考えていた。
牧石が見て
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