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とある誤解の超能力者(マインドシーカー)
レベル3 おもい を はせる こと は じゆう
第1話 疑問
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その原因を確認しない限り、後で大きな落とし穴にはまるかも知れない。

牧石は、携帯電話にパスワードを入力すると、最近作成したメモの内容を確認する。


「市長の存在」
「警察の存在」
「サイキックシティという名称」
「風力発電所が少ないこと」
「学生の割合が少ないこと」
「アニメで登場した人物が一切登場しないこと」
「知っている学校が存在しないこと」



「・・・・・・けっこうあるな」
牧石はこれまでに携帯電話に記載しているメモの内容を確認する。
牧石は原作との相違点について、二つの仮説を持っていた。

一つ目は、未読の原作準拠ではないのかという仮説。
二つ目は、原作開始前の時代に転生したのではないかという仮説である。

一つ目の仮説であれば、牧石が知っている情報と異なることも理解できる。
牧石が知っているのは、アニメ版の3作品であり、原作では第13巻までの内容が反映されている。

しかしながら、アニメ化がされていない内容は牧石が同じくらいのボリュームがあることから、大きく状況が変わることもありうる話だ。
ただ、その場合は原作の登場人物に関する噂を一度も聞いたことがないことが問題になる。

学園都市最強クラスの超能力者について、牧石はちゃんと記憶しているが、この世界で噂を聞く限り、編入試験の日に出会ったサイマスターグルー以外の情報を聞かない。

それならば、第2の仮説を考えるが、それでも、多くの差異、特に人口に対する学生の割合が3割という現状との差異を説明することができない。

牧石はこれまでに、磯嶋や目黒、福西や迫川に相談することも考えていた。
しかし、今の状態で転生者であることを知られてもいいとはどうしても思わず、これまでためらってきた。

その対応策があるのだが、それを実行に移すためには……

「……」
牧石は、人の存在を感じ取り、視線を上にあげると、目の前には女子生徒がいた。
牧石の記憶が確かなら、同じクラスで保健委員を務めていた女子生徒であるはずだ。
「どうしたの?」
牧石はクラスメイトに声をかけた。
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