第6話 追及
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受けており、牧石はサイキックシティでの裁判で証拠として使用可能なように、GPSデータと音声データとの連結ファイルを作成していた。
「よくやった、牧石!」
目黒にいつもの余裕の表情が戻ってきた。
それとは、対照的に羽来の顔からはゆがんだ表情をしていたが、強気な顔に戻った。
「それがどうかしたのかい?」
「これだけの証拠があれば、詐欺の容疑で逮捕できるだろう。
お前は理解できないのか?」
「理解できないのは君の方ではないのかね。
今の内容について錯誤があると証明できた内容があるのかな?
仮に君の主張が正しかったとしても、君たちは警察ではない。
私を拘束することは不可能なのだよ」
羽来は、余裕の表情で目黒を嘲笑していた。
目黒は、屈辱により肩をふるわせて、視線を下に向けている。
目黒は後悔していた。
自分だけで、事件を解決しようと考えたことが裏目にでたようだ。
もう少し早く、警察に情報提供をすれば良かったかもしれない。
だが、目黒が知っている投資契約していた相手は、きちんと配当を受け取っていることを理由に、目黒の言葉を信用しなかった。
逆に、配当目当てに解約を迫ろうとしたのではないかと疑われそうになったこともある。
配当による信頼を勝ち取った先生と、あまり交流のない生徒では、どちらを信用するかは一目瞭然であった。
最後の手段として、配当をもらっていないであろう牧石を説得して、一緒に警察に相談をしに行こうと考えていた。
だが、牧石の交付金の債権化には2週間程度かかるため、警察に相談するためにはそれまでの間、待つ必要もあった。
一方で、弁護士に相談して民事訴訟で訴える方法は取れない。
牧石には現時点で、損害は生じていないのだから。
目黒は、目の前の敵を見逃すことしかできない状況に歯ぎしりしていた。
そして、なぜ自分に予知能力がないのかと嘆いていた。
「どうする、目黒?」
牧石は心配そうに牧石を見つめた。
「……架空口座だ」
目黒は、後悔することをやめ、しばらく考えたのち、牧石にささやいた。
「架空口座?」
「奴は、海外で資金を使用するために架空口座を持っているはずだ。
本人の口座は、警察が即座に口座を凍結させるため、使用できなくなるからな」
「なるほど」
「架空口座の不正所持だけで、現行犯逮捕はできない。
だが、空港警察に拾得物の届け出を理由に連行させることができるし、こちらで確保すれば奴は計画を断念することになる。
ただ……」
目黒はためらうような口調だった。
「ただ?」
「可能性は高いが、奴が所持している確証がない。
下手に動けば、こちらが旅行の邪魔をしたということで、こちらだけ捕まる可能性がある……」
目黒は、どうすべきか悩んでいた。
こんな
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