第5話 勉強会
[1/4]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
ここ最近の、授業が終わった後の牧石の行動パターンは、固定化されつつある。
牧石は、授業終了後の定例行事である、教室の掃除当番が掃除を終わらせるのを教室で待っている。
当然、牧石がどこかの掃除当番であるのならば、他の清掃場所を掃除しながら教室の清掃作業が終了するのを待っていた。
ちなみに、この教室の清掃は、簡単なモップがけで終わらせている。
2年ほど前に、とあるクラスで超能力を使用した清掃法を考え、実行に移した生徒たちがいたのだが、窓ガラスが割れ、机やその中の荷物が散乱し、床が5cmほど水浸しになった。
おそらくは、ひとりずつ順番に超能力を使えば問題はなかったのだろう。
複数の生徒たちが、思い思いに超能力を同時に使用した結果、能力同士がぶつかった場所で力が制御できなくなり、結果として教室が竜巻が通過した後のような惨状となった。
その惨状を目の当たりにした学校側が、すぐに清掃時間における超能力の使用を校則で禁止した。
それは、今でも変わらない。
牧石は、掃除が終わり、少しだけきれいになった教室に入ると、資料を机の上に準備する。
資料を準備し終わった頃には、教室には牧石と樫倉しか残っていない。
生徒の多くは、部活動に専念したり、下校したり、1ーGの現状を視察したりしていた。
現在、1ーGを視察している生徒は、先日の転入生騒ぎのように、男子生徒が滝山の麗しい姿を眺めるためという理由はほとんどなくなった。
今、生徒たちが1ーGに行く理由は、席替えの推移を見守る為である。
先日まで戦国絵巻のように、混沌としていた1ーGの状況ではあったが、生徒会及び教師たちの半強制的な介入により、事態は急速に鎮静化した。
しかし、転入生滝山マリヤの魅力は、席替えというそれほど重要ではない学園イベントですら、悲喜劇に変えてしまう。
委員長が用意したくじにより、配席を決めようとしたところ、
「透視能力者に有利だ」
「いや、予知の能力者も有利だ」
「これらの能力は、努力により勝ち得た能力だ。
能力を行使して何が悪い」
「超能力による、過剰な行使は超能力使用の制限に関する法律で制限されている」
「席替えで使用することは、超能力の行使が推奨される授業中のことならば問題ない」
「去年の地裁判決を知らないのか。
超能力の使用によるくじびきは、改正景品法に基づく不正行為に該当すると判決があったはずだ」
「いや、被告が控訴したから、まだ判例にはなっていない。
だいいち、席替えのくじびきで超能力を行使したことで得られる利益は、改正景品法に該当しないだろう?」
「それよりも、はやく帰りたいのだが。
俺の席は適当に決めてくれ」
「福西は黙っていろ!」
「リア充の貴様に、議論に参加する資
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ