第3話 勉強開始
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勤する電車やバスの近くの席に座って来る他校の女生徒と一緒で、自分に気があるわけではないと判っているのに意識してしまう。
「しかも、暁はなんとも感じないときたものだ」
目黒の言葉に、牧石は視線を長身の福島に向ける。
福西は食べていたご飯を置いて反論する。
「何を言っている?
俺だって、超能力を持っている。
何も感じないはずはあるまい」
「……」
福西はいつものように、天然モードだった。
「僕のこの状態を見て、何を感じている」
牧石は、少し挑発するように言った。
「そうだな。
編入試験を受けるのなら、予備校に通ったほうがいいと思うぞ。
君のように、外から来た人の為に用意されたコースもあるし」
福西は、牧石に対して親切丁寧に教えてくれた。
あいかわらず、迫川が牧石の手を握っているにも関わらず。
「……。
説明ありがとう」
「お礼なら、合格してから言ってくれ」
福西は、ライス(大)を食べ終わると平然と答えた。
「福西、今日はおかずを食べないのか?」
牧石は、福西が食堂でご飯しか食べていない事を指摘した。
「おかずなら、今朝食べたばかりだ。
それがどうかしたのか?」
「……。いや、なんでもない……」
牧石は福西の行動を指摘することを放棄した。
牧石は目黒に、中間試験の問題と解答例をもらうことを頼んだ。
迫川には、ノートを借りることを頼んだ。
福西には、特に何も頼まなかった。
磯嶋が仕事場としている研究室は、能力開発センターの隅に存在する。
部屋の入り口には、戦略研究局統括研究部第4室と示されている。
その部屋に入ると、約12畳ほどの研究室としては小さな部屋に大きめのテーブルが1つと、応接セットが置かれていた。
研究室と言うよりは、部長室の名前がふさわしいと思われる室内に、部屋の主である磯嶋と福西がいた。
「よろしいのですか?
磯嶋先生。
彼は、また勘違いをしているようですが?」
「牧石君は、自分でなんとかしたいようですから。
彼の判断を尊重してあげないとね」
「尊重ですか、良い言葉ですね。
でも、それならどうして彼に必要な情報をあげないのですか?
具体的に言えば、編入試験が目的で予備校に通った場合でも、助成金を受けることができることをなぜ言わなかったのですか?」
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