レベル1 うんめい の よかん
第1話 卒業してはみたけれど
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れることになるのだからね」
牧石は、うなずいた。
牧石は、前の世界でニュートリノの実験結果で物理学が大きく変わる可能性があるというニュースを思い出したからだ。
「話を少し戻すと、人類は科学により超能力を使用できるようになったのだけど、人類は本当に超能力で進化したといえるのかしら?」
「進化ではないのですか?」
「たとえば、君は宙返りができるかな?」
磯嶋は、牧石の身体を見ながら質問する。
「できません」
「たとえば、ここに誰でも宙返りを行うことができるマニュアルがあったとしよう。
このマニュアルを活用して、君が宙返りを身につけたとして、君は進化したと思う?」
「思いません」
牧石は即答する。
「そうだね、君の体にはあらかじめ宙返りをすることができるように出来ていたからだ。
これは、超能力も一緒だね」
「……?
そうですね」
牧石は曖昧な表情をしながらうなずく。
磯嶋の言っていることは難しいのだが、中学校時代にさんざん瑞穂の話を聞いていた牧石にとっては、慣れたものだった。
「では、超能力を身につけただけでは、人類は進化したと言えないとはいえ、超能力が普及し発展した先には何があるのか知りたいと思わないかい?
私の研究は、そういった超能力の先にあるかもしれない進化を研究しているのさ」
「そうですか、すごいですね」
牧石は素直に、賞賛する。
「どうだろうね」
磯嶋は自嘲気味に話す。
「そうか、君は知らなかったな?
せっかくだから教えてあげよう。
予言の話を」
「その予言は「ビジョン」と呼ばれるもので、とある超能力者が知った未来といわれている。
1989年に示されたものらしいが、詳細は判っていない。
それでも、示されたビジョンは今のところすべて的中している。
君も知っているだろう?
大統一場理論により、物理学の中に超能力が組み込まれたことによって、すべての力を示す方程式が生み出されたことを。
それが、2013年に実現することを、既にそのビジョンで示されていたのさ。
そして、そこから人類の進化がはじまるということも……」
磯嶋は話し終わると、飲み物のお代わりをするために席をたった。
牧石は、磯嶋の話しを考えたが、一向にアニメの内容にあっているのか、あっていないのか判らなかった。
結局、これも原作で語られる内容であるのだろうと牧石の中で結論づけた。
このことにより、牧石がこの世界が「マインドシーカー」とよばれるゲームの世界を元にしていることに、後々まで気づくことはなかった。
「やはり、仕事を探すしかないか」
牧石は、つぶやいた。
磯嶋の好意はありがたいが、早く研究所から出た方がいいだろう。
天野みたいな研究者もいるだろうし、アニメに登場する研究者たちと
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