レベル1 うんめい の よかん
第1話 卒業してはみたけれど
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み出された普遍的な問題を提示した。
「そうですね」
牧石はうなずく。
牧石の預金口座にはそれなりの金額が貯金されていた。
しかし、それらの金のほとんどは、「財団法人かしわば」が、奨学金として振り込んだものだった。
この奨学金については返済義務がないため、本来であれば何に使っても問題ない。
だが、車内から見た飛行船のニュース記事で知ったのだが、支援してくれるはずの財団法人が職員の不正経理及び着服により、解散においこまれた事によって状況が変わった。
精算団体が、債権者に返済するために、理事会で新たに下した決定。
それが、規則改正による奨学金の返還であった。
奨学金の返還については、規則により「当面の間請求はおこなわない」と記載されていた。
そして、奨学金の貸与条件については、貸し付け契約により「返済については規則の定めに従っておこなうこと」と記載されていた。
従って、規則が変更されることにより返還義務が生じたのだ。
牧石にとって幸いなのは、奨学金をほとんど使用していなかったことだ。
それでも、牧石は生活するための資金が必要になるわけで、生活を続けていくのなら、なんとかして稼ぐ必要があるのだ。
牧石は、転生した神様に対して、心の中で文句を言ったが、返事は返ってこなかった。
「とりあえず君は卒業したわけだけど、研究に協力するという名目で、君の部屋はそのまま無料で使用できるようになっているわ。
君が楽しみにしている食堂も同様に」
「すいません。
いろいろと、助かります」
「とりあえず、研究を始めるまでは、比較的余裕があるから」
「すいません。
研究の邪魔までして」
「気にしないで、牧石君。
私の研究は、長い時間が必要だから」
「長い時間ですか?」
「そうね。
君にはまだ、自分の研究について説明していなかったわね」
牧石は磯嶋をながめる。
そういえば、この人は原作に登場する人物なのだろうかと考えてみた。
しかし、アニメを見た限り登場しなかったので、これから先の話に登場する可能性もあるだろう。
「私は、元々生物学出身で、人類の進化について研究していたわ」
「そうなのですか」
牧石はハンバーグを食べながら答える。
「超能力は、科学により解明され、トレーニングによって誰でも使用できるようになった。
もっとも、君を最初に調べたときは、例外が出現したと騒いでしまったものだけど」
「そうだったのですか」
「まあ、君も無事能力が発動したことが明らかになったので、事なきを得たのだけど、能力を発動できるマインドレベルに達していながら、能力が発動しなかったことが、万一証明されたら、科学と超能力との融合が崩壊しまいかねないの。
もう一度、新たな理論を生み出す必要に迫ら
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