第11話 卒業
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そのカードに何らかの力を送ってごらん」
牧石は、先ほど使用した方法ではなく、いつもの練習方法で力を送った。
「おお!!」
牧石は、飛び上がるほど驚いた。
銀色のカードに、黒字で
LV:01
PSI:000000
という文字が浮かんだからだ。
「これで、きみは超能力者と認められた。
上の数字がサイレベルで、下の数字がサイポイントだ。基本的にトレーニングを積むことでポイントが上昇し、一定の数値に達することで、レベルがあがる」
「わかりました」
牧石は北川の言葉に神妙にうなずいた。
牧石は、アニメでこのようなカードの描写がなかったことから、原作開始からかなり先の時期の世界に転生したと誤解した。
「さっそくだが、金融機関からカードの切り替えと暗証番号の再登録の手続きに来てくれと、連絡があったようだ。
磯嶋君、悪いが牧石君を送ってやってくれないか」
「ええ、かまいません。
私も久しぶりに研究所から外に出られますから」
「すいません」
「牧石君、謝ることはないわよ。
おかげで、君の実力が出たのだから」
「そうだな、全問正解なんて「あの伝説の少年」以来の出来事だからな。
君の将来は有望だ。
がんばれよ」
北川は、牧石の肩をたたいた。
「それでは、いきましょう。
牧石君」
磯嶋は、ドアに向かって歩きだした。
「それにしても、「最後の手段」ってなにをしたの?」
研究所の出口に向かう途中に、磯嶋が牧石に質問する。
「すいません、磯嶋さん」
「私にもいえない事なの?」
「いいえ、違います。
訓練とは別の方法を使用したから、申し訳ないと思いまして」
「別の方法?」
「ええ、僕は昨日ずっと考えたのですが、自分は既に能力が発動していると思ったのです」
「能力が発動?」
「以前、磯嶋さんが話していた内容によれば、全部外す確率は非常に低いと言っていましたよね」
「そうだけど、まさかサイミッシング?
でも、能力開発基礎理論ではありえないはず」
サイミッシングとは、予想される確率よりも明らかに低い値しか出ない現象である。
しかし、超能力開発基礎理論では、否定している内容である。
能力開発基礎理論は誰もが超能力を開発するための理論であり、その理論は科学的根拠により証明されている。
だから、サイミッシングと呼ばれるような現象は生じることはなかった。
磯嶋は牧石に対して、簡単に説明した。
「私が持っていた能力が、絶対に外れるという能力だったのでしょう。
最初に、能力開発トレーニングを受けた時点で既に能力が発動されたのです。
今回の試験では、能力を利用して5種類のうち絶対にあり得ないと思ったカードの種類を予想したのです」
「だから、あれだけマインドレベルが高くて
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