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とある誤解の超能力者(マインドシーカー)
第11話 卒業
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「・・・・・・そして最後は、星です」
磯嶋によって裏返されたカードには、星形の模様が示されていた。

「全問正解だと……」
磯嶋のそばにいた天野は、驚愕の表情を見せていた。
それは、先ほどカードをめくった磯嶋にとっても同様であり、信じられないといった顔をしている。

「これで、20点を獲得しました。
次は念力の試験ですが、行うのですか?」
牧石は、固まったままの二人に今後の事を質問した。
最初の透視能力試験で、全体の合格水準である17点を越える点数を稼いだ。
つまり、他の2つの試験が0点でも卒業試験に合格することになる。

合否判定さえわかればいいので、不必要な試験は行わないのか、逆に結果を残す必要性があるので最後まで行う必要があるのか、牧石には判断がつかなかったため、二人に尋ねた。

「……牧石君。
合格が判定した時点で試験は終了よ。
卒業おめでとう!」
磯嶋は、最初何を言えばいいのか解らない状態だったが、状況を認識してからは、笑顔が現れ、最後は牧石に右手を差し出してきた。
「ありがとう、ございます」
牧石は、磯嶋の手を握り返す。
「これで、ようやく外にでられるのですね」

「あり得ない、あり得ないぞ!」
二人のやりとりを見ていた天野が、突然叫び出す。
「貴様、一体何をした。
いかさまか、いかさまなのだな!」
天野は、牧石の襟首をつかむ。

「何を言っているの!
ここで、いかさまなんてできるわけがないでしょう!」
磯嶋が、中央にあるコンピューターを指し示す。

「卒業試験用プログラムは、常に最新の防御技術によって、他の超能力者の干渉をはじめあらゆる影響を排除して実験を行うことができるのよ。
ここの研究員なら誰もが知っているでしょう!」
「ありえない!こんな事などあり得ない!
全問正解なんて、「伝説の少年」以来だぞ!
こんな奴にできるはずがない!
そうか、磯嶋!貴様が改竄したのだな!」
天野は牧石を放すと、磯嶋に向かってきた。

「それこそあり得ないわよ。
検定者に細工ができたら、この研究所の存在意味が消滅するわ」
磯嶋が天野を説得しようとしていたが、天野は耳を傾けるつもりはないようで、室内の喧噪がだんだん大きくなっていく。

「なんの騒ぎだね、これは?」
コンピュータールームに大勢の男たちが現れた。

先頭を歩く白衣姿で白髪の男が3人に話しかけてきた。
後に続く男たちは、警備服姿で警棒を身につけていた。

「北川副所長」
磯嶋が、白髪の男に話しかける。
「天野研究員が、卒業試験の結果に満足していないそうです」
「卒業試験?
ああ、例の少年の件か。
データをみた限り、透視能力で全問正解したようだが?
これだけの能力で不満があるとは、彼はす
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