第7話 試験結果
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
あるわね。
それとも、あらかじめこうなることを予見されたのかしら」
磯嶋は、牧石に関するデータを自室の端末に転送する事をエキドナに命じると、独り言を続けた。
「私の能力を、あてにしているのかもしれないわね」
磯嶋の能力は、研究するには最適な能力である。
そのかわり問題点もあり、基本的には自室でなければ能力を使用するつもりはない。
磯嶋は、資料を片づけると、コンピュータールームから出ていった。
「なぜ、能力が発動しないのだ……」
磯嶋が、牧石の能力が発動されない理由を調査していたころ、牧石も自室で頭を悩ませていた。
牧石が先ほど行った実験は3種類あり、
一つ目は、透視能力の調査で、5種類の模様の書かれたカードを使用して、裏に伏せたカードの種類を当てるものである。
二つ目は、念力の調査で、赤いランプが点滅するよう、心の中で念じるものである。
三つ目は、予知能力で、5つのランプのうち点滅するランプを予想するものである。
透視能力と予知能力は20回を5セットづつ、念力については40回を5セット行った。
ところが、牧石がどんなにがんばったところで、予知や透視が一つも当たることはなく、ランプも一つもともることはなかった。
最初の頃は、単純に調子が悪いだけかと思っていた。
だが、検査終了後に見た磯嶋の表情から、自分の結果が特異であることを思い知らされた。
そして、自室のコンピューターに自分の結果が特異である理由を質問したところ、試験では全く細工をしていないため、透視や予知については確率1/5で当たること、念力に至っては1/2の確率で当たることを教えてくれた。
続けてコンピューターに先ほどの練習で、一つも当たらない確率について質問すると、透視や予知については、約5億分の1の確率であり、念力に至っては小数点以下60桁くらいまで0が付くと言われてしまった。
「なんという確率だよそれ。
どんだけ不幸だよ」
と、牧石がため息ながらつぶやいた言葉で、牧石が前の世界で見ていたアニメの主人公の能力を思い出した。
そして、牧石は自分の能力が、アニメの主人公と同じ「あらゆる能力を打ち消す能力」ではないかと考えていた。
「だがあの能力では、他の能力と一緒に使用できないぞ」
牧石は、自分の考えを否定する。
主人公が都合良く問題を解決したり、女の子と知り合えたりする事象を能力と考えれば、主人公も複数の能力を持つことになるが、さすがにそれはないだろう。
そうなると、牧石は自分の訓練が足りないと考えるようになった。
「そうだな。
たった一日やそこらで、能力が身に付くと考えるのは、ずうずうしい。
今日はゆっくり休んで、明日から特訓だ」
牧石は、磯嶋から「あまり超能力を使いすぎると疲労に
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ