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『もしも門が1941年の大日本帝国に開いたら……』
第十八話
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終了させておくと言って一応ながら大日本帝国と帝国の第一回の交渉は終了するのであった。




 一方、樹達は外国人記者も入れての記者会見をしていた。樹達が(特にテュカ達の特地組)を見た時にカメラのフラッシュが光った。

「ビューティフル……」

「あれがエルフか……」

 テュカを見た記者達は口々にそう言って驚きの声をあげた。対するテュカは自分に何故これほどにまで驚きの声が上がっているのか疑問に思っていたりする。

「それでは記者会見を行います。まずこの三人は勿論特地から来られた人達であり、強制的に連れて来たのではありません」

 少佐の階級章を付けた陸軍側の佐官が記者達に日本語と英語で説明する。

「まずは外国から質問を許可します」

 その言葉に多数の外国人が挙手をして佐官が指名する。

「ドイツから来ましたアルベルトです。ご紹介にありましたテュカ・ルナ・マルソーさんですが……耳は作り物ではないですよね? 良ければ動かさせてほしいのですが……」

「……こう? 触ってみます?」

『オォッ!!』

 アルベルトの言葉を佐官がレレイに翻訳してレレイがテュカに翻訳する。それを聞いたテュカが髪を掻き分けて耳を動かすと記者達はまたも驚いてカメラのフラッシュを焚かせる。

「アメリカのニューヨークタイムズのロバートです。レレイさんは魔法を使えるとご紹介で言っているのですが……」

 そう言ってレレイは魔法を見せてまたも記者達を驚かせる。

「朝日新聞ですが……ロゥリィ・マーキュリーさんが……肉体を持つ神……亜神であるとのことですが……」

 朝日新聞の記者は本当の事か分からないのでしどろもどろになる。そこへレレイが補足を付けた。

「私は門の向こうでは「ヒト種」と呼ばれる種族で寿命が六十から七十前後で住民の多くはヒト種である。テュカは不老長命のエルフで、その中でも稀少な妖精種で寿命は一般のエルフより遥かに長く永遠に近いと言われている。ロゥリィはヒトではなく亜神――肉体を持つ神である。元はヒトで昇神した時の年齢で固定されている。通常一千年程で肉体を捨て霊体の使徒へ、そして真の神となる。従って寿命という概念が無いのである」

『………』

 レレイの補足に記者達は口をパクパクと開けて唖然としていた。それはその通りだと思う。

「そ……それでしたら……非常に申しにくいのですが三人の年齢は……」

「九百六十一歳よぉ」

「百六十五歳」

「……十五歳」

『………』

 またも沈黙する記者達である。

「(こりゃあ……諸外国の一面だよな)」

 そう思う樹であった。この事は全世界の新聞のトップを飾る事になる。それは日本も例外ではなかった。





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