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八条学園怪異譚
第二十二話 雪男の一家その十五
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 そのアイスを持って家に帰ることになり日下部とも別れた、しかしここで一つ絶対に解決しなければならない問題があった。
 聖花は愛実が持っているアイスを見て言った。持って来たタイツ等は二人共背負っているリュックの中に入れている。
「ねえ、アイスだけれど」
「これ?」
「どっちが持つの?」
 聖花の言うのはこのことだった。
「それはどうするの?」
「ううんと、アイスねえ」
「よく冷えた場所に置かないと溶けるから」
 問題点はそれだった。
「冷蔵庫か冷凍庫に入れないとね」
「ううん、うちのお店の冷凍庫にする?」
 愛実は少し考えてから聖花に言った。
「そうする?」
「そうしてくれる?」
「あっ、言うまでもないけれど」
 愛実は親友のことも念頭に置いて話した。
「食べる時はね」
「一人じゃなくて」
「そう、二人でね」
 食べようというのだ。
「それかお姉ちゃんも入れてね」
「三人でなのね」
「そう、そうしない?」
 これが愛実の提案だった。
「一人占めってよくないし」
「別にそこまではいいけれど」
 聖花は愛実の気遣いに遠慮で返した。
「アイス凄い量だし」
「本当にバケツ分あるわね」
「そうでしょ。一人で食べるにしても限界があるじゃない」
 だからそこまでの気遣いはいいというのだ。
「それに愛実ちゃんアイス好きだけれど」
「太るからね」
 これが第一の理由だ。
「あまり食べたらね」
「そうなのよね。私もね」
「聖花ちゃん痩せてるじゃない」
「アイスは特別だから」
 実は聖花もアイスは好きだ、だがそれだからこそだった。
「一旦食べたらそこからだから」
「止まらなくなるから」
「そう、だからね」
 それ故にだった。
「節制してるし。ましてや独り占めなんて」
「絶対に止めるべきっていうか」 
 そこからさらに踏み込んで言う愛実だった。
「それならだけれど」
「それなら?」
「いや、二人だけで食べるよりも」
 それよりもだというのだ。
「皆で食べない?クラスの皆と」
「皆となの」
「それかね」
 さらに言う愛実だった。
「博士と妖怪の皆と一緒に食べるか」
「どっちかね」
「どっちがいいかしら」
「妖怪さん達お菓子いつも一杯食べてるから」
 聖花は愛実の提案を聞いて頭を動かしだしてそしてこう答えた。
「クラスの皆にしない?」
「そっちの方がいいかしら」
「そう思うけれどどうかしら」
「そうね。言われてみたら」
 愛実も聖花の提案を受けて考えた、そのうえで聖花に顔を向けてこう言った。
「それじゃあね」
「それでいくのね」
「ええ、クラスの皆をお店に呼んで」
 愛実の店にである。
「そのついでにね」
「そこでしっかり商売淹れるのは」
「駄目か
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