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東方調酒録
第二夜 霧雨魔理沙は返さない
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いたわね」
阿求が言った。
「棚の酒は全部覚えてますから……あなたの記憶力には及びませんけど」
阿求がエッヘンと言った。
魔理沙は良く人のものを勝手に借りて行く、魔理沙の家に行って持って帰ってくること以外に帰ってることは滅多にない。その代わり魔理沙も良く人に手を貸す。だが今回は悠も譲れないようであった。
しばらく阿求と話していると、アリスが魔理沙を迎えにきた。家に来るって言ったのに来なかったから心配になって探したらしい。まったく魔理沙は……と言い、どこか嬉しそうに魔理沙を連れて帰って行った。あの外の世界で、酔い潰れた時迎えにきてくれる人がいる者はどのぐらい、いるのだろう……果たして自分にはいなかったはずである。
「おかわり」
阿求が笑顔で悠の手に持った氷を見つめながら注文した。悠は阿求をギャフンと言わせる方法を考え始めた。

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