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東方調酒録
第二夜 霧雨魔理沙は返さない
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めをした。シャカシャカとシェイカーの音がなり始めた。魔理沙はにとりと椛の三人で話している。椛はどうやら降参したみたいだった。阿求はフローズン・ダイキリを飲みながら何やら書き続けている。にとりがキュウリのカクテルを要求してきたので、ブラッディ・メアリーにキュウリバーをいれて出してあげた。どうやら気に入ったようである。

にとりと椛が帰ったあと、魔理沙はマルガリータを飲みながら、
「この酸味が恋の味なのかな?」
とつぶやいた。悠はアイスピックを手にさしそうになった。阿求は手が止まっている。
「何?いきなり」
悠が聞いた。
「いや、 ほら恋って酸っぱいっていうじゃないか?」
「まぁ、甘くはないね……酸っぱいのは初恋と悲しい恋だよ。 普通の恋はどっちかというとスパイシーだな」
「ヘェ〜」
魔理沙が目を輝かせ聞いている。
「私、恋とかしたことないからな〜」
とつぶやいた。悠は立ちくらみがした。悠は後ろの棚からウォッカ、オレンジジュースを取り出し乱暴にタンブラーに突っ込みステアした。
「はい、 スクリュードライバー!」
タンッと魔理沙の前においた。魔理沙は手に取り、口した。
「うまい! 口当たりがいいな!」
「スクリュードライバーはねじ回しという意味だ。ねじ回しを使って混ぜたからその名前がついたんだ」
「フーン、でも何でいきなり?」
「魔理沙さんが好きそうだと思って」
「ああ、確かにこの味は好きだぜ!」
嘘である。スクリュードライバーは別名『レディーキラー』という。何人もの妖怪の女の子をその気にさせているのに、気がついていない魔理沙に対するひがみと皮肉のつもりであった。魔理沙は誰に対しても隔てなく接するため多くの人に好かれる。悠も幻想郷にきた当時は多く助けられた。この店を作る時一番手伝ってくれたのが魔理沙であった。
「おお、いっぱい飲めるぜ」
すごいペースで飲んでいた。後ろの棚を見た悠は何かに気が付き、少し考えてから
「じゃあ、もう一つオススメのカクテルを……ドライ・ジン、オレンジジュース、パイナップルジュース、レモンジュース、アンゴスチュラビター、シュガーシロップをシェークして……グラスに」
ホノルルですーーと魔理沙にグラスを差し出した。魔理沙はカクテルを口にした。
「ミックスジュースみたいで、飲みやすい……でもお酒の味もしっかりとある! 面白い味だ」
魔理沙はお代わりした二杯目で眠ってしまった。
「ホノルルは味に反して度数はかなり高い方なんだ」
そう言いながら悠はカウンターから出て魔理沙の横に立ち膨れているポケットからウィスキーを一本取り出した。
「こいつは貸せないな」
ウィスキーはバーボンのワイルドターキー17年である。悠の虎の子であった。悠がにとり達を見送った時にとったのだろう。
「あら、よく気がつ
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