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最期の祈り(Fate/Zero)
ラウラ・ボーデヴィッヒ
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何故だ?
何故、あの人と会わせてくれた?あのままでは私はのたれ死んでいた。
感謝してもしきれない。
何故、あの人を奪った?このままではまた独りぼっちだ。恨んでも恨みきれない。
何故、私にもう一度光など与えた?こんな思いをするくらいなら、いっそ暗闇の中で死にたかった。
何故、今私は光の中に居る?
何故私は生きている?
何故私は戦っている?
何故?何故?何故?何故?何故?何故?何故?何故?
何故、こんなにも暖かいのだ?










観衆は混乱の極みにあった。

衛宮切嗣vsラウラ・ボーデヴィッヒ
この闘いは切嗣の勝利で幕が閉じられた。切嗣がシュヴァルツェア・レーゲンを戦闘不能に追いやったのは、シルバームーンのもう一つの固有武器「インポッシブルレイ」だ。それは一言で言えば、レーザー兵器だ。ただし、インポッシブルの名が示す様に銃口が見えない。否、より正確に言うならそもそもレーザーを撃つための筒が無いのだ。ISが普遍的に持っている能力、物質の量子化技術。データを元に分子を再構成し、物体を形造る。一見荒唐無稽に考えられるこの技術だが、正式に技術として成立している。
……なら、その先が在ってもおかしくないだろう。即ち、物質としてではなくデータのみで現実に干渉出来る技術が。
「インポッシブルレイ」の能力はこうだ。予め、あるレーザーを「撃った」(より正確に言うなら『引金を引いた』)という情報を刷り込んでおく。この状態では未だデータであり、物質に介入するには足りない。しかし、このデータを電気信号により反応するレーザー砲に送ったらどうだ?「撃った」ないし、引金を引いたという情報が伝わり、レーザーが発射される。情報で引金を引ける。なら、そもそもレーザー砲が実態である必要が無い。粒子という状態でも、必要なデータさえあれば引くことが出来る。そもそも科学の異端児がISなのだ。空想科学の領域に差し掛かろうと、それは対象化された技術であり不可能は無い。
シルバームーンの情報展開能力は半径10メートル。その範囲内なら、何処からでもレーザーを撃てる。しかしこの能力、使用者に極度の集中力を要請する上、エネルギー効率も悪く射程も案外狭い。実戦での使用には向かない。切嗣自身、最初はこの固有兵器には難色を示した。しかし、同時に可能性にも思い当たった。奇襲にはこれ以上無いと。予想通り、「インポッシブルレイ」は切嗣の期待通りの仕事をした。ラウラが半径10メートルに入り、切嗣にプラズマブレードを降り下ろそうとしたした瞬間――相手が攻撃に気を割き、防御が手薄になる時を狙い、撃った。その結果、全方位からのレーザー砲にはラウラも対処しきれず、数発は防いだが13本の光に焼かれた。
 それはこの闘いの結末を予想していた者や、事態に追いついていな
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