アインクラッド編
休息の時間
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・・大丈夫だよ。ギルドのみんなと寝る事なんて何度かあったし・・・・」
「それでも、ギルメン以外の男2人もいる状況でしょ!?」
「アスカとキリトもそんな心配するようなことないと思うよ・・・・・・?」
リズベットの勢いに飲まれてサチも語気が弱まっていく。
「いやそういう問題じゃなくて・・・・・・って、そうだ!」
パン! と、手を叩いたリズベットが視線をアスカに移す。
「アスカ、悪いけど寝袋1つとサチ貰っていくけど、いい?」
アスカより早く隣に座るキリトが反応しそうになり、慌てて口を閉ざしている。
それを横目で見ながらアスカが訊ね返す。
「なんでだ? 鍛冶屋のプレイヤーの分もちゃんと寝袋が用意されているはずだろ?」
リズが渋面になる。
「あんたら、鍛冶屋に女の子が何人いるかとか考えてなかったでしょ? 10人の内、あたしを含めて3人なのよ」
「ああ・・・・なるほど」
納得する。
確かに男性プレイヤーと女性プレイヤーが同じ寝袋に入るのは色々とまずい。
奇数人数同士なら寝袋の数が足りなくなる。
「〈聖竜連合〉の奴ら、そこまで頭が回らなかったのか・・・・・・」
「アスカが悪いわけじゃないから気にしなくていいわよ。それで、あたしが余っている所がないか探してたのよ」
最初に言いかけたのはこの用件だったらしい。
「で、でもこっちも数がそれだと・・・・」
ケイタは焦った様子だが、こちらが困惑している理由を知っていないリズは不思議そうな顔をする。
「ん? なんでよ? 6人で3つの寝袋使ったら良いじゃない?」
「「「「「「・・・・・・・・・・・・」」」」」」
今度こそサチを除く6人が完全フリーズ。
大変困った状況である。
今、この安全地帯には〈血盟騎士団〉以下数名を除く50人以上の攻略組プレイヤーがいる。
こんな所で、キリトの本当の性別をリズに教え、驚きで叫ばれようものなら確実に全員にばれる。
サチも心配そうな目でキリトのことを見ている。
アスカもどうすることもできず、隣へと目を向ける。
パーティーメンバー6人全員の視線を集めたキリトは、
「・・・・分かった。サチのことよろしく」
と言った。
「なんでギルメンじゃないアンタが頼んでんのよ?」と、口を挟みながらも、リズは寝袋1つとサチを両手で引っ張りながら鍛冶屋が寝ているスペースへと消えていった。
「「「「「・・・・・・・・・・・・」」」」」
結局、アスカを含め男性陣5人は最後まで何も言えずにその姿を見送った。
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