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ソードアートオンライン アスカとキリカの物語
アインクラッド編
休息の時間
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鹿らしくなるほど圧倒的。
流れるような攻撃もさることながら、なお一層圧巻なのは防御力。
これまでの幾度となく行われてきたボス戦で1度たりともHPバーがイエローゾーンに落ちていない唯一のプレイヤー。

確かに彼が率いた部隊ならダメージを与えることを考えなければ6時間程度余裕でボスの相手を出来るかもしれない。
アスカも〈血盟騎士団〉副団長として手伝わないといけない、という義務感が働いたが、〈月夜の黒猫団〉の面々のバックアップをしながら睡眠無しで6時間も戦線維持に参加できるほどアスカも化け物ではない。
ある程度の休息は必要だ。

この階層はポップ率が低いおかげでダンジョンからモンスターの叫び声が聞こえてくることも無い。
それに全員が疲労を溜めているので、熟睡できるだろう。
すでに幾つかのパーティーは支給された寝袋に身を包み、微かな寝息を立てている。
今回のボス戦で全員から徴収されたお金を使って購入した食事等のアイテムの中でもこの寝袋はかなり値が張った。
少しでも経費削減するためにかなり大きい寝袋を購入したため、どのパーティーにも総人数の半数しか支給されていないが、ちゃんと2人入っても余裕な大きさであることは確認している。
寝相が悪ければ分からないが、普通に横になるだけなら2人入っても窮屈だと感じることは無いはずだ。

すでにアスカ達のパーティーにも4つの寝袋が支給されている。
7人なので誰か1人1個寝袋を使えるが、全員でこれはアスカが使うことを決めてある。
〈月夜の黒猫団〉の男子4人が2つ、キリトとサチが1つだ。


ろくに会話もせずに食事を終えたアスカ達も他のプレイヤー同様に早々に寝ることにした。
折角、〈血盟騎士団〉の面々が寝る時間を削って頑張ってくれているのだ。
可能な限り体力を回復させて明日の戦闘で結果を出すことがそれに見合う礼儀というものだろう。

ランタンの火を消して、配られていた寝袋4つを持ってくる時だった。


「アスカー、悪いんだけどこっちで寝袋の数が・・・・・・・・・」
「ん? どうしたの、リズ?」

最初に訪問者ことリズベットに気づいたサチが訊ねる。
リズベットは寝袋を持ってきているサチの姿を視認すると、言いかけていた言葉をつぐみ、

「・・・・・・サチ、あんたまさかここで寝る気じゃないでしょうね?」
「えっ? そうだけど・・・・どうかした?」

途端、声を荒げた。

「どうかした、じゃないでしょ!? あんたまさかこんな男ばっかの状況で寝る気!?」

これにはアスカも他の5人同様にうっと唸ってしまった。
キリトが本当は女性プレイヤーであることを知っていたので、周りからの目を完全に忘れていた。
女子2人が同じ寝袋に入ればいい、と思いこんでいた。

「いや・・
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