アインクラッド編
休息の時間
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野営用ランタンが薄く安全地帯を照らす。
キリトが持ってきたアイテムで、実を言えばかなりのレアアイテムだ。
耐久値が切れるまでずっと明るい光を提供してくれる。
その淡い光に照らされながら、アスカはキリトと〈月夜の黒猫団〉の5人と昼食同様卓を囲んで夕食を頂いている。
かったいパンを香草と干し肉の入ったスープに入れてふやかしながら食べる。
こちらのスープもキリト持参アイテムだ。
それなりに素材ランクが高いようで、おいしい。
このパンをそのまま食べるのはなかなか根気が要りそうなので、正直助かる。
支給されたパンを食べている理由は、いくら食材アイテムは軒並み重さがそれほどでもなく、アイテムストレージを圧迫しないとはいえ、夕食分まで料理を用意できるほどの余裕はアスカにもサチにもなかったからだ。
アスカを含め誰もが黙々と食事に専念している。
と言うより、疲れて会話する元気がない。
「はー・・・・おいしい」
「そうだね・・・・」
キリトのポツリと洩らした感想にサチが同意して、そこで会話が終了した。
昼食を頂いてから既に10時間近く経過している。時刻は日付が変わる少し前。
あれからアスカ達は3度ボスと2時間に渡る戦闘を繰り広げた。今日1日で8時間もボスと戦っていることになる。
ボスのHPバーはようやく2段目が半分を割ったところだ。
まだ折り返し地点にも立ってないと思うとげんなりしてしまう。
それも今みんなの元気が無い理由の1つだ。
疲労困憊なのはアスカ達だけではなく、〈風林火山〉や〈聖竜連合〉の人も疲れ切った表情だ。
フィールドでアスカ達のパーティーと楽しげに会話していた時の面影もなく、静かに食事を取っている。
交代でボスの正面担当だった〈風林火山〉が同じ時間に安全地帯にいるのは、今ボスの相手はヒースクリフ率いる〈血盟騎士団〉以下数名が担っているからだ。
これから6時間ほど、彼らがひたすら時間を稼ぐことになっている。
全員分の睡眠時間を確保するためだ。
いくら団長でも無茶だ、と思いアスカも何とか説得しようとしたが、いつもの様子で、
「情報通りのステータスなら問題ないよ。私1人でも数時間は何とかできる。なあに、このくらいは攻略組トップギルドの団長を任されている身として当然だよ」
と宣われたらそれ以上アスカに抗議できるはずもない。
それに1人でも何とか出来る、というのは誇張でも何でもなく、確然たる事実だ。
〈神聖剣〉。
それこそがヒースクリフが持つ絶対最強のスキル。
ほかのどのプレイヤーも持ち得ない彼のみのスキル―――ユニークスキル。
十時を象った一対の剣と盾を使う。
見た目は少し変わった形の剣と盾を持った片手剣士と変わらないが、スキル内容は比べるのも馬
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