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IS インフィニット・ストラトス〜転生者の想いは復讐とともに…………〜
number-49 another end
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――――更識楯無の心も奪った。


自分じゃあ何も手に入れられないものをあいつは、麗矢はすべて持っている。
なにも麗矢になりたいわけじゃない。
麗矢に追いつきたいだけなのに。
その差は近づくよりもどんどん離れていくような感じしかしない。


先ほどから頬杖をついていない方の手で板書しようとしているのだが、全く身が入らず、シャーペンを持っては置いてを繰り返している。
一度だけ置いた後に目元を擦っていた。
その時に擦った指がぬれていたことは一夏でさえ気づかなかった。
――――隣に座っていた篠ノ之箒には気づかれたが。


      ◯


――ガラッ!!


息を切らしながら荒々しく医務室の扉を開けた楯無。
入ってすぐに今一番会いたい人の顔が目に飛び込んできた。
幼いことからこの想いを持ち続けて、一時は離れ離れになって、奇跡的な再会を果たして、昔から変わらない思いを確認した楯無。
そしてまたいなくなって、また再会して――――


「麗矢っ!!」
「――――楯無……」


もう我慢できずに麗矢のもとへ駆け寄った楯無に変わらない声をかける麗矢。
それに感極まった楯無は麗矢に抱きついた。
胸に抱きついて泣き顔を見られない様にしながら肩を揺らす。
麗矢は何も言わずに受け止める。


「……ねえ、麗矢」
「……なんだ」


楯無は麗矢の名を呼ぶと麗矢から離れて、頬を桜色に染めながら言葉を紡いだ。
麗矢はそれを聞き、返事を返した。
楯無はまた麗矢に近づいて、麗矢の唇に自分の唇をつけた。


――――初めてのキスは涙の味がした――――


      ◯


――――好きです。あなたのことが昔から好きでした。そして、今も未来もそれは変わらない……私と付き合ってください。


――――先に言われた、か。それは俺が言うべきだったのに……ごめん。……俺から言わせて。


――――うん、いいよ。


――――あなたのことが好きです。付き合ってください。


――――はい……! 喜んでっ。





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