第九十話 ゲルマニア分裂
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ようというのだな」
「左様にございます。腹が減っては戦が出来ません」
「よし、ベルヴィン中から食料を掻き集める。お前はシレージェン攻略の準備に入れ」
「御意」
フリードリヒは一礼すると、ヴィルヘルムの部屋から退室した。
「団長、会見は如何でしたか?」
廊下には、副団長のシャルルンホルストが待っていた。
「シレージェン攻略の命が下った。テュートン、リヴォニヤ各騎士団に命令を出せ」
「かしこまりました」
シャルルンホルストが去ると、フリードリヒもゆっくりと歩き出す。
(上手い事、事が進んだな。なるべく叔父上とアルブレヒト殿は、たっぷりと時間をかけて争って貰わないと……)
先ほどの会見で、フリードリヒはヴィルヘルムに言わなかった事がある。
それは補給を現地調達、言葉を変えれば略奪にして、ヴィンドボナを強襲すれば100%勝てる確信があったのだ。
だが、ゲルマニア騎士団が略奪の汚名を被ってしまうし、ヴィルヘルムが皇帝の座に就いてしまう。ヴィルヘルムの追い落としを画策するフリードリヒにとっては看過出来なかった。
(今までの様な、政治闘争ではない。軍と軍とがぶつかり合う戦闘になれば、軍事力に秀でた我らが初戦は勝ち続けるだろう。だが時間をかければ国力の差でアルブレヒト殿が盛り返す。結果ベルヴィンを始めとするブランデルブルク各領地から、叔父上への怨嗟の声が上がり、晴れて私が叔父上を追い落とす大義名分を得る事が出来るというものだ……フフ)
フリードリヒがプラーカに居た時、攻撃を支持しなったのは、万が一にでもアルブレヒトに死なれては困るからだ。
もし死なれでもしたら、ヴィルヘルムが皇帝になってしまう可能性が高まる為、是が非にでもアルブレヒトには無事にヴィンドボナに帰ってもらう必要があった。
(だが、今は安全なヴィンドボナに居る。二人には末永く争い続けて貰おう)
内心ほくそ笑みながら、フリードリヒは冷たい廊下を歩き続けた。
一週間後、フリードリヒに率いられたゲルマニア騎士団はシレージェンを強襲した。
ヂシュカらチェック人の反乱でシレージェン地方の防衛は空も同然だった。ゲルマニア騎士団の攻撃に驚いたプラーカの守将は持ち場のプラーカを離れてゲルマニア騎士団の討伐に向かってしまった。
結果、ゲルマニア最強のゲルマニア騎士団に蹴散らされ守将は戦死してしまった。5万の軍勢も戦死、或いは逃亡で5万の軍勢は一瞬で壊滅、ボヘニア地方は軍事的空白地帯と化した。
さらに悪い事に、戦死した守将はヴィンドボナへの伝令を一騎しか送らなかった為に、途中でヂシュカらの襲撃を受け死亡。情報はヴィンドボナに届く事はなかった。
反乱を起こしたブランデルブルク軍は、穀倉地
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