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〜烈戦記〜
第四話 〜対峙〜
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知れるな』


『…おい』
『あ?』
『父さんの悪口だけはやめろ』

父さんが馬鹿にされた。
しかも、こんな訳のわからない奴に。
僕は必死で手が出そうになるのを堪えて警告した。

だが、羊班は怒りで震える僕の拳に気付き口元をニヤつかせた。

『やめなかったらどうすんだよ、豚子』

僕の身体は考えるよりも先に布団の上にいた羊班へ飛びかかっていた。

しかし、挑発の前からその行動を察していた羊班は布団から飛び退いて腰にあった剣を引き抜く。

『かかりやがったな馬鹿め!!これで名実共にお前は烈州に反逆した賊だ!!』
『なっ!?』
『これよりこの羊班が直々に処刑してやる…覚悟しろ』

ふざけるな。
元々部屋に勝手に上がり込んだこいつに非があるのに、謝るどころか散々貶してきた挙句命まで奪おうとする。
そんな事が許されてたまるか。
それはもう国の役人のする事ではなく、それこそ賊と変わらないじゃないか。

僕は自分の腰の得物に手を伸ばす。

『お?やるか?』

反応から見るにこいつもそれなりに腕には自信があるようだ。

だが関係無い。
僕だってわざわざ遠い村から関にまで毎回遊びに来ていただけではない。
僕は腰帯から得物を抜いた。


『ぷはははは!!腰に手をやるもんだから剣かと思えばなんだ、ただの鉄鞭じゃないか!!』

羊班は急に笑声を上げた。
まぁ無理もないかもしれない。
この男が笑うように鉄鞭と言うのは剣の様な形で、刃の部分だけが棒状になっている打撃武器で基本的には刑罰や拷問に使われるものである。
それを剣の変わりに持ち歩いているのだ。
機から見れば可笑しな話である。

だがこいつは一つ勘違いをしているようだ。
まあそれは時期にわかるだろう。

『親父からもらったこの名剣の初の相手が鉄鞭では格好がつかんが、まあいい。この剣の切れ味、その身体で為させてもらうぞ』
『喋ってばかりいないで早くこいよ』
『…言ったな?』

羊班はしっかりと重心を落としてジリジリと距離を詰めてくる。
流石にあちらも闇雲に突っ込む事はしてこない。
こちらとしては飛びかかってくれた方が組みしやすいが、どの道僕の戦い方では自分から攻めには回らない。
僕も相手の剣先に全神経を集中させて時を待った。

そしてついにその時がきた。

羊班は間合いに入ったと見るや否や剣を大きく振りかぶりこちらに飛びかかってきた。

それを見て僕は剣の軌道を予測して頭上に鉄鞭を構え、受けの態勢に入る。

『もらった!!』

羊班が叫ぶ。


だが、それはこちらの台詞だ。


キンッ


金属と金属がぶつかり合う音がした。



羊班は驚いていた。
自分の剣は鋭さでい
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