■■SAO編 主人公:マルバ■■
番外編:バトル・ロワイアル
番外編 第四話 Aブロック予選
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凄まじい勢いで敵に迫る。コーバッツは避けきれず、HPを一割強も失ってしまった。初めてのクリーンヒットだった。
コーバッツは完全にジンガの射程範囲内にいた。ジンガはニヤリと笑うと、その場でたたみかけるように連続攻撃を繰り出す。直剣の突攻撃と体術の連続攻撃……そう、これは《遅延解除》。コーバッツはさすがに避けきれず連続被弾し、慌てて盾を背負うと逃走を開始した。走りながらポーチからポーションを取り出し、一気飲みする。六割弱まで落ち込んだHPゲージはゆっくりと回復を始めた。
ディレイを消費しきったジンガは、その敏捷性に物を言わせてコーバッツを追った。二人の間はみるみるうちにつまり、もう少しで接触するといった、その瞬間……!
今度はコーバッツが笑みを漏らした。いきなり振り返るとその場で瞬時に盾を構え直し、シルドバッシュを繰り出したのだ。まさかそんな攻撃が来るとは思わなかったジンガは、立ち止まりきれずもろにシルドバッシュを受けてしまった。後方に勢い良く飛ばされながら、ジンガは短剣を振りかぶった。空中を跳びながらの戦闘には慣れている。敏捷性が高ければ壁だって走れるし長距離の跳躍も可能なのだから。
しかし、彼が振り上げた短剣は、その手から放たれることはなかった。ソードスキルの発動態勢に入っていたジンガの身体を、アイリアの槍が背中から貫いたからだ。
ジンガは一瞬何が起こったのか理解できなかった。視線を下ろし、自らの身体を槍が貫通していることにまず驚愕し、半ばパニックを起こしながらそれを引き抜こうを試みた。しかし、身体が動かない。慌ててHPバーを確認すると、そこに残りは六割ほどのHP残量を示す青色の表示と、その横に麻痺状態を示すアイコンがあった。
コーバッツはジンガに麻痺毒の針を放った後、即座にアイリアに向かって長剣を投擲した。アイリアはそれを回避すると、今まで持っていた武器の代わりにその長剣を拾い、構え直す。コーバッツはというと、ジンガの背からアイリアの槍を抜き放ったところだ。抜き放つ際についでに槍を左右に揺さぶったためにジンガのHPは半損し、会場にアスナの声がこだました。
「ジンガさん、HP半損! 速やかに退場してください!」
「くそ、二対一なんて卑怯だ……」
心底悔しそうな顔でジンガが退場すると、後に残された二人は丁度自分のものではない武器を構えたところだった。
コーバッツは一瞬興味深そうに手元の槍を見た。もちろん彼は槍スキルも棍スキルもほぼマスターしている。短剣スキルは取っていないが、彼はその特殊な槍でも十分に実力を発揮できるはずだ。
対するアイリアは、慣れない長剣で戦う気はさらさらなかった。一刻も早くクイックチェンジで武器を変えたいのだが、そのためにはある程度の隙を作らなくてはならない
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