■■SAO編 主人公:マルバ■■
番外編:バトル・ロワイアル
番外編 第四話 Aブロック予選
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三人のAブロックの参加者たちが、互いにかなりの間隔を取って戦闘態勢を取った。
小ぶりの槍を持った少女は、アイリアである。遠目には一般的な片手槍を構えているように見えるが、実はその認識は正しくない。彼女の持っているのは、『菊池千本槍』に分類される自作武器である。細工スキルで短剣を棍の先に縛り付けた、相当特殊な武器だ。槍としては刺突属性に優れ、棍として破壊属性攻撃もできる。更に、一部の短剣技さえ使えるのだ。リーチが異常に長い短剣技というのはモンスターにとってもプレイヤーにとっても非常に対処しにくい技である。使い魔のクロは今回は参戦しないようだ。
片手用直剣を右肩の上に構え、短剣を左手で付き出した妙な構えで待機するのは、二刀流のジンガ。マルバに似たバトルスタイルではあるが、マルバと決定的に異なるのはその直剣である。マルバは遠距離も攻撃できるような武器を使うが、ジンガは完全に短距離での攻撃特化の武器選択をしている。間合いにさえ入れば恐らく相当の攻撃力を発揮するはずだ。
盾から長めの長剣を抜き出して剣先を下に向け、突進の構えをとっているのは他でもないコーバッツである。彼の武器は実はその長剣ばかりではない。クイックチェンジに登録された幾つもの武器の全てを彼は八割以上マスターしているのだ。モンスター相手ならばエンカウント直前に武器を選択して最適の武器で戦えるという強みを持っている。対人戦ではクイックチェンジをする暇が作れれば相手を散々撹乱して戦況を優位にすることができるはずだ。
「アイリア君と言ったか。久しぶりだな」
コーバッツが口を開いた。構えを解かずに、ちらりと上方に視線を送り、バトルスタートまでの残り時間を確認する。
「うん、例の事件以来だね。シンカーさんはお元気?」
「ああ、もちろんだ。知っての通り、シンカー派は既に《軍》を離れ、初めシンカーが組織したような互助組織を再建しているところだ」
コーバッツは次にジンガの方を見た。視線が直剣を捉え、次に短剣に移動する。
「貴様がジンガか」
貴様呼ばわりされて、ジンガは少しムッとして答えた。
「なんか偉そうな奴だな。そうさ、僕がジンガだよ。《疾風》のジンガ、って言えば聞いたことくらいはあるだろ」
「ないな。お前はどうだ?」
コーバッツはアイリアに話を振った。
「あるよ。マルバ君が言ってたもん、直剣で《ディレイキャンセル》を使う奴がいるって。敏捷性に極振りしてて、速さで右に出る者はなかなかいないって話だったよ。速さを生かした突進技は目にも留まらぬほどだって……それ、君のことでしょ」
「ああ、多分それで合ってる。お兄さん、ちょっと下調べが甘いんじゃない? そんなんで僕に勝てると思ったら大間違いだよ」
「ふっ、弱い犬ほどよく吠える、という言葉があってだな」
「……誰が弱い犬だ
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