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SAO−−鼠と鴉と撫子と
29, その日
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あああ」

剣は運良く、振り上げられたゴーレムの腕と真っ向から衝突した。
愛刀が軋みを上げ、そしてその衝撃が指先から腕、そして全身へと伝わる。
私は文字通り空中へと吹き飛ばされた。

HPのゲージを見ると防御こそ間に合ったけど、ゲージはもう1センチも残してはいなかった。
空中で腕を無茶苦茶に突き出す。どうやればダメージが減るのかも分からないけど、とにかく何とかしないと。


上昇は滞空へと変わり、墜落へと転じる。
ようやく、体が半回転し、地面を見ることが出来た。
モンスターの群れを飛び越えてしまったみたいだけど、それでお終い。
あと少しで入り口の扉に頭からぶつかってしまう。

私は、壁に恐くてぎゅっと目を瞑った。
ごめんね、そう念じた瞬間、頭の方で轟音が響き渡った。

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