第三十二話
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ど仕方ないよね…そんなのどこでも当たり前だもんね。
…でもね、最近わたしの着替えを覗いてたり、この前は寝てたら布団の上に覆いかぶさってきて…怖かったの…」
「俺だってお前をお嫁さんにしたらえっちなことしちゃうんだぞ?いいのか?」
「…いいよ、ミュアハやさしいもん。王子様っていうのはあたしの気を引きたかったんだろうけど、会ったばかりだけどっ、好きだよ。
…それにね、親方は奥さんと子供いるもん、あたしの事なんて遊ぶためだけだと思うんだっ……」
なるほどな、嫁にするのは別としても力になってやろうじゃないの
「ヴィア、待ってろ。一座の場所はずっとさっきの場所だな?」
「う、うん。でも、いいんだよ、変なこと言ってゴメンネ」
「嫁にするってのは約束出来ないがなんとかしてやる。いいから任せろ」
…俺は宿舎までとにかく走った。
走って走って走り抜いた、門限はまだだが目的を果たしたあとに間に合うかどうかは厳しいかもしれないが…
俺が自分の部屋に駆けこむとアゼルは驚いた様子でいろいろと問いかけてきたが、ろくに中身のある返事をせずに目的の物を持ちだし、今度は事務所へ向かい、預けてある金庫の中からここ数カ月ぶんの仕送りのうちほとんどを持ちだした。
…具体的に言うと、維持費を除けば屋敷の一軒くらいは買ってお釣りは来るだろう。
エッダ公女の身代金とすれば安いくらいだろうが…
係の人に手続きを急いでもらい俺はまたもや駆けだした。
重い…集まった金貨ってこんな重いのかよ、鎧のほうがずっとマシな気がする。
訓練でするようにペースを決めての走りじゃなくて、本当に全力疾走だったものだから心臓が苦しくて苦しくて、もうこのまま死にそうなくらい急いで急いで一座のあった場所に辿り着いた。
苦しく息を切らせたままでお辞儀をするのは大変だったが、それでも座長を見つけるとできるだけ丁寧にしたつもりだ。
俺はレンスターの家紋が入ったペーパーナイフを懐から取り出しつつ。
「わ、わたしは、レンスター王国のっ、はぁ、はぁ、第二王子ッ、ミュアハと、も、申じます」
「落ち着いてくださいな、息を整えてからでも」
「は、はひっ、申し訳っ、あでぃまぜん」
すこし息を整えてから、俺はシルヴィアを呼んでもらった。
「座長、誠に勝手な申し出ながら、わたしはこの子が気に入った」
「は、はぁ、そりゃどうも。なかなかの器量でしょう?もう1,2年もしたら楽しみです」
「そこで座長どの、わたしはシルヴィアを身請けしたい。充分な金は用意したつもりだ」
ずしっとした金の詰まった袋を四つ渡すと座長は驚嘆の目で俺を見た。
「座長くらいベテランの巡業者ならレンスターでも公演をしたこともおありと思う。
この家紋の見覚えとてあるのでは
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