第三十二話
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バーハラに来て、こんな早く大物二人と接点を作るとは思いもよらなかった。
キーマンとして、あとはアルヴィスか…レックスには悪いが脳筋ランゴバルトは厄介さではすこし評価が下がるしな…
そのレックスから言われて放課後に特訓を付き合うことになった。
どうしても負けられない相手が居るそうだ。
「付き合うのは構わないが、ずいぶんとわたしを評価しているようだね」
「しょうがないだろう、同じ科の奴らに手の内知られたくないし…お前ならもし当たりどころ悪くてもぴんぴんしてそうだから安心して全力でいける」
「ひとのことを壁かなんかかと思ってるんですか。これでもねえさまやレイミアにはかわいいって言われてるんですよ」
「んなこと知るかよ! いくぞ!」
…レックスは1時間と経たずに音をあげてしまった。
貴族のぼんぼんとしてはよくやっているのだろうが、素振りや走り込みなどの基本をしっかりやることを勧めたが不満そうだった。
このまま宿舎に戻っても中途半端だし目的も無く街に出ることにした。
たまにはこういうのもいいだろう。
適当にぶらぶら歩きながら街の様子を見ていると幾つかの街路樹に張り紙がしてあって、でかい字だったので目に入った。
来週に大道芸人一座が来るそうだ。
全休の日にも被って公演するようだから見にいってみようかな。
翌日もレックスが特訓の願いをしてきたが荷運びの日なので断った。
「平民じゃあるまいしなんでそんなことやるんだ?仕送りする金も国元には無いのか?…っと、これはすまねぇ。 だが、お前王子なんだろ?」
「体も鍛えられてお金も貰えるんですよ?…何か必要な出費があった時に備えて、なるべくお金はあったほうがいいからね。それに、偉そうな言い方するなら納めてくれた税は庶民の血と涙だもの、身の周りの必要経費くらいは自分で賄っておいて大きなお金は大事なことに使いたいなと」
「…ふ〜ん、そんな事、気にもしてなかった、だって平民は俺たちに仕える為に生まれてくるんだぜ? まぁ、少しでも多く納めさせるために領民は大事にしろって理屈ならわかるけどよー」
「平民は王や貴族に仕える為に生まれてくる?それって誰が決めたん? 神が決めたってんなら直接神から聞いたわけでも無いのに何で信じられる?そして、なぜ神に従わねばならない?
………いや、申し訳ない、気を悪くしたら許して欲しい。こういう議論はやめておきます。 それより、わたしは朝早くから自主訓練しているので君の都合さえ合えば押しかけて来ても構わないよ」
「…あぁ、わかった」
あやうく地が出そうになったがレックスは神妙な顔をして考え込んでいた。
全休の日になったので例の大道芸人の演目を見ようと、開催されるという街の広場に向かった。
まだまだ時間に余裕が
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