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なりたくないけどチートな勇者
6*イヌミミとの戦い
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ら動こううとしないのだ。
あさつまえ、余裕の笑みを見せながらミミリィのことを見ているのだ。

そして

「グ、グオァァァァ!」

二体のゴーレムができあがった。
彼女の持つ大地の属性と、彼女の魔力とを組み合わせた鉄壁の守護者。

「いけっ!!」

ミミリィ号令でニ体のゴーレムが同時にナルミに襲い掛った。

しかし、ナルミはこれをみて、今まで見たことがないほどの歪んだ笑顔で叫びはじめた。

「カモン、ジャイアント!!」

そう叫びながら彼はポケットから右手で紫の何かを取り出し、それをそのまま親指で押した、すると

ドガァァァァァ!!!

空から、神の怒りの如き光が降り注ぎ、ニ体のゴーレムを裁き、滅した。

彼の叫んだ言葉の意味も、取り出した物も、果ては何がおこったのか理解することが出来る者など、当事者のナルミを除き誰もいなかった。

そして、自らの最強呪文を打ち砕かれたミミリィはというと

「………………………………………………へ?」

呆然自失、この一言に尽きる。
自分の最強の呪文をたった一撃で粉砕されたのだ、無理もない。

そして、そこにナルミが近付き、彼女の首に武器を突き付けて一言。

「降参、します?」

今度は挑発ではなく、確認だった。

「っな!」

やっと現実に戻ってきたミミリィ。
しかし、この状況はどうやっても覆せない。

「っつ!…………わかった、降参する。」

さすがに彼女もそれを理解出来たようで、渋々ながら降参する。
すると、ナルミがゼノアの方を向き、ゼノアも頷いてこう宣言した。

「勝者、ナルミ!」

観客は皆、目の前の出来事が理解出来ずに沈黙していた。
そして、しばらくしてナルミは闘技場を一瞬で元に戻し、去って行った。

その時、彼の見せた後悔と悲しみの表情をゼノアはしっかりと目撃した。

そして、すぐに彼を追い掛けたい衝動を押さえ、姫様への報告を済ませた後に彼の姿を捜し、駆け回るのだった。





?おまけ・サイドエリザ?

「…フ、フフフフ。」

その日の夜に、彼女は自らのベットで一日を振り返りながら笑っていた。
いや、彼女に自覚はないが、自然と笑いが込み上げてくるのだ。

「…フフフ、人間の覇王で勇者で強くて…
私だけの近衛騎士…」

譫言のように、小さく笑いながら静かに発した言葉。
頬は紅く、眼は恍惚としている。
傍目からは恋患いのようもにみえるが…

「早く兄様達にも自慢して、父様にもナルミを認めさせて上級騎士としての二つ名を付けて貰って…
…フフフ、そしていずれは私もナルミの技や秘術を教えて貰って…」

誰も持ってない人間の戦士(おもちゃ)を手に入れた優越感と
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