第二十三話 告白、想定外
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く滑稽な方法だ。
誠也はその音声を一切無視し、ディバインバスターの発射シークエンスに突入する。
「ディバイン――」
『92e2 8e7e 835a 8388』
発射の最終シークエンスに入っても、機械王は意味不明な音声を止めない。
しかも、一切動くこともなく未だ泰然と構え続けている。
誠也はそれを一種の挑発と受け取り、文字通り全力を機械王へとぶつけるつもりで魔力をさらに込めていく。
しかし、ここで予想もしなかった異変が起こる。
『Divine―――』
「レイジングハート!!?」
レイジングハートが突如としてその機能を停止したのだ。
レイジングハートは紅い宝玉へと姿を変え、誠也の右手に収まる。
当然、待機させていた魔力は制御の一端を担っていたレイジングハートの機能停止により、暴走状態へと移行した。
「くっ!」
制御を保とうとしても、巨大な魔力ゆえにすぐさま対応できるものではなく、誠也は魔力の暴発を許してしまう。
「ぐあっ!」
レイジングハートの機能停止に伴い、バリアジャケットすら解除されていた誠也は、暴発した魔力の衝撃に耐えられず、そのまま吹き飛ばされてしまう。
吹き飛ばされながらもなんとか体勢を立て直し、無事着地した誠也は今までで経験したことのない事態に、必死に自らの愛機を呼ぶ。
「レイジングハート!!」
しかし、レイジングハートは誠也の呼び掛けに対し、何も返事をしない。
こんなことは誠也がレイジングハートと出会ってから一度もなかった。
だから誠也は必死にレイジングハートに呼びかける。
しかし、誠也は気付かないうちに二つのミスを犯していた。
一つはレイジングハートの機能停止という、いままで経験したことのない事態に対して、冷静に対処することができなかったということ。
もう一つは暴発による爆煙が誠也の視界を遮り、機械王の姿を見えなくし、さらには機械王に対して注意を向けていなかったということ。
この二つのミスが誠也に決定的な隙を生み出した。
『王タル我ニ逆ラエルモノナドオラヌ。』
誠也がハッとし、気付いた時には鋼の巨人は目の前に迫っていた。
爆煙から飛び出してきた機械王はその左腕を振りかぶる。
『滅ビヨ!』
想定外の事態により対処の遅れた誠也は、その身に巨人の拳を受けることになる。
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