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Sword Art Online-The:World
#04 決行
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『君、中学生だよね?』の一言。カイトは最早、悟りの領域に至っていた。
彼の心底申し訳なさそうな謝罪に、あははと笑ってしまう。と、気付いたことがある。
「カイト。そういえば名前、教えてなかったよね」
「あぁ、そういえばそうだな。俺はディアベル、よろしくカイト。
…………戦いの前にいい感じに緊張もほぐれたよ、ありがとう。次に会うとしたら……第二階層かな?」
「そうだね。僕は正直“強くないから”戦いには向いてないし、たぶん前線に加わっても僕は“邪魔”にしかならないだろうから。でも、なんていうか……頑張ってね。それじゃ」
あぁ、自分はなんて弱いのだろう。
いざ戦いに赴く者を目の当たりにすると、真っ向から向き合えない。
いざ戦いに皆と共に加わろうと思っても、自分の力が疎ましい。それを知れば、決して自分達は彼らと交わることは出来ないだろう。そう思わずにはいられない。目の前の彼も、きっとそうだろう。
だからカイトは、早く彼と別れたかった。申し訳ない感情が溢れすぎて、自分の正義感というものが崩れそうだった。だが、
「カイト!」
ぴたりと足を止め、肩で振り返るとディアベルは立ち上がってこちらを見ていた。
何度か視線を外し、その都度こちらを見て、数秒を経て彼は口を開いた。
「…………強すぎる人間が、弱い人間と一緒に戦うのは、悪いことだと思うかい?」
カイトはディアベルの目を見て心の中で、あぁ、と言った。この目はそうだ、この男もそうだ。きっと、自分達と同じだ。人とは違うなにかを持っていて、それを自覚していて、それに胸を焼かれている、そんな目だ。
それがなんであれ、カイトには“そういうもの”だと理解できた。だから去り際に、振り返って背中越しにこう応えた。
「…………そんな事が出来るのは“君みたいに”誰かを守れるような強い人だと、僕は思うよ」
× ×
「(…………なぁ)」
「(…………ンだよ)」
「(カイトのヤツ、なんであんな“おセンチ”な空気散布してるわけ?)」
「(知るかよ。朝一ナンパして、ボロッボロに振られたんじゃねーのか)」
アレからカイトは、自室に篭ったきりだった。
既にあれから四時間近くは経っている。もうディアベル率いる攻略組はダンジョンに向け出立している頃だ。あまりに動く様子が無いし、呼んでも反応が無い、しかし鍵は開きっぱなし。
中に入って呼びかけても『うん、そうだね』『あぁうん』と言った曖昧な返答しか出てこない。様子がおかしいと察したベンケイも姿を見せるが、一向に変化はなし。放心状態を超えて、昇心状態-昇天と放心の掛け合わせ-だ。
「カイトぉー、俺らゴーレム狩りに行くけど、お前はどうすんの?」
「あぁ
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