暁 〜小説投稿サイト〜
Sword Art Online-The:World
#04 決行
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た。すると、

「おはよう」

「ん? やぁ、おはよう。気持ちのいい朝だね!」

メッチャ好青年だった。こう、キラキラが周囲を包んで輝きまくるようなタイプの、宝塚系の好青年。
細かく様子を観察してみると、どうやら瞑想とかじゃなくて単に眠かっただけらしい。目元に小さなクマのようなものがある。睡眠不足なんてこの世界にあるのかと思ったが、まぁ人にもよるだろう。

「こんな早朝から何を? みたとこ、ソロで狩りでもなさそうだけど。パーティー待ち?」

「そんなところだよ。…………今日、俺のパーティーでこの第一層のボスを攻略するんだ。簡単に言うなら、俺はこのゲームの最初の攻略組の隊長、ってところかな」

…………この人か。この人がそうなんだ。
話には聞いていた。プレイヤーを纏め上げ、攻略を効率よく進めようとする指揮者がいると。
この青年がそうなのか。笑顔を絶やさない、この好青年が。ようやくと言うか、逆に今までよく一度たりとも出くわさなかったものだ。攻略組というからには、彼もこの町で宿を取っているに違いない。例え違う宿で寝泊りしようと、町のショップや工場では必然的に一度は会う筈だ。
それすらないとなると、最早運命的ななにかを感じざるを得ない。カイトはいつの間にか、青年に興味を持っていた。興味と言うか、感心だ。やはり“思ったとおり”だ。自分達が動かなくとも、人は勝手に前に進んでいく。コレが人間の、コレが意思ある者の在り方だ。
きっとこの男は、前線で人々を束ねる将になるに違いない。人々も、彼を(しるし)(いく)さに嬉々として望んでいくだろう。“彼となら勝てる”“俺達なら出来る”と。

「ゲーム初日から、率先して攻略をしようとは決めていたんだけど。やっぱりこう、命が懸かると感じるものが違うな。怖い、っていうか……そう、虚しいと言うのかな。負けたら死ぬはずなのに、その実感が無いんだ」

「ここでの僕らは仮想的な生命だからね。こっちで死んでいざ現実に戻れば、その時僕らは“ただの肉の塊”さ。それが理解できる人間は、決して戦おうとはしない。“勝てる”と分からない限りは、決して剣を取ろうとはしないさ。人間ってそういうものだもの」

「…………すごいな、まるで往年の老兵って感じじゃないか。君っていくつ?」

「これでも二十四だよ。よく高校生くらいって言われるけど、お酒も呑めるし煙草も吸えるよ。呑まないし吸わないけどね」

「………俺とそんなに違わないんだ。いや、見た目が若いから、てっきり高校生くらいと思ってて……なんていうか、すまない」

別に怒ってはいない、ストレスを感じることも無い。
友人と宅呑みで深夜にコンビニによれば身分証明必須、夜間の宿直の際の買出しには警官の職務質問必須、果ては学生を対象としたインタビューを受けて
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