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Sword Art Online-The:World
#04 決行
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ドをかぶった男女不明のプレイヤー。食事をしているようで、その二人がいる場所を横切ると、すぐそこには宿屋。その前でベンケイは立ち止まり、目を閉じてなにかを考え始めた。
………どっかで見た事あんだよなぁ、あの黒いの。どこだっけ、何年か前のなんかの……大会、か?
うっすらと記憶はあるものの、実態が一切浮かばない。朧気ながらも、なにかの会場で見かけたというのは覚えている。それも大会、決勝近く。しかし思い浮かぶのはそこまで、そこから先は一切出てこなくなっていた。

「おい、ベンケイ」

「あ、あぁ」

「僕達の宿屋ここだけど、君はどうするの?」

「んー、特にどこかも決めてないしなぁ……そこら辺で野宿もよくするし。折角だし、今日はここに泊まってく」

「今日は珍しく昼間通しで狩ってたから、超眠ィ……俺ァ速攻寝るぞ。騒ぐなよ音立てるなよ起こすなよ」

「僕も今日はすぐに寝るつもりだから、大丈夫だよ。ベンケイは?」

「俺も同意。特にやりたい事あるわけでもないし、すぐ寝る。それに部屋も違うしな」

「そ、じゃあおやすみ」

「お疲れ」

「お疲れー」

宿に入りながら言う台詞ではないが、三人共に部屋に入った瞬間五分経たず眠りについたから正解だといえる。時刻は午後九時、外はいまだ騒ぎが冷めやらぬ様だった。







  ×      ×







翌日、午前六時。日が昇っていまだ時の経たぬ頃。
宿屋の近くの広場にて、カイトは伸び伸びと身体を動かしていた。昼夜逆転の生活をしながらも、どうにも朝の運動だけは欠かせないようで、それはゲームの世界だろうと変わりは無かった。とはいっても、実際にこの世界での健康管理が現実に影響するわけは無いので、せいぜい散歩と身体の柔軟程度に済ませている。
早朝の町を巡回もどきに散歩をし、ぐるりと回ったら今度は広場で軽い柔軟。
コレだけで気持ちの整理が出来ると言うのは、我ながら単純な人間だなぁと思うカイトだった。
そして全ての行程を終えると、カイトは周囲をぐるりと見渡す。広場や近くの通りには人影一つ無く、町も至って静かなまま。昼間もそこそこ静かな時はあるが、やはり早朝は神聖な静寂といった感じだ。

「………ホントに、僕らは変な事に巻き込まれるなぁ…………」

朝日を見て脳裏に浮かび上がるのは、己の青春時代。十台半ばの頃のあの日々。
『The:world』に出会い、その世界の中で様々な人と出会った。別れもあったし、再会もあった。悲劇もあったし、喜劇もあった。感動もあれば、激昂もあった。カイトにとってのもう一つの人生の姿が、そこにはあった。
ハセヲもそう。『The:world』に触れ、感じ、知り、繋がり、始まり、想い、歩み、終わり、新しく始まる。人の
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