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剣の丘に花は咲く 
第七章 銀の降臨祭
第一話 わたしが……まもる
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「「「「「乾杯!!」」」」」

 ガツンと木製のコップを勢い良く叩きつけ合う音が響く。コップの縁から泡混じりのエールが溢れ、コップを持つ手を濡らすが、互いにそれを気にすることはない。ただただ互いに笑い合うだけ。
 満点の星空の下。酒を飲み合うのは、ルイズが成功させた、陽動作戦の護衛をした竜騎士隊の少年たちだった。

「いや〜しかし本当にすごかったなあの魔法ッ!!」
「ああ! 本当にそこに艦隊があるかと思ったよ!」

 酒席は随分と長く続いているのだろう。皆の顔色は揃いも揃って真っ赤だ。酒のつまみと話題に上るのは同じことについて。彼らが十日前成し遂げた成果についてだ。

「ういっく……それで、そのご本人たちは何処にいるんだ?」
「あ〜……あれ? そう言えば何処にいるんだ?」

 話題の中心物である、ルイズたちの姿を見つけようと、キョロキョロと顔を見渡すが、何処にもその姿は見つからない。暫らく辺りを探していた竜騎士隊の少年たちだったが、その内探すことに飽きたのか、酒を飲み始める。

「こんだけ毎晩毎晩酒盛りが続けばそりゃ飽きるってもんだっ!!」
「シロウさんのことだ! こんな男だらけの酒盛りから逃げて、ミス・ヴァリエールとよろしくやってんじゃねえのか!? ……オレも彼女がいればなぁ……」
「ぎゃはははっ! 確かにそうだ! ……はぁ……」
「「「…………」」」

 酒宴の席に、沈黙が落ちる。

「「「「……はぁ」」」」

 酒臭いため息が、示し合わせたかのように同時に漏れる。
 何となく皆が顔を上げると、満天の星空が目に眩しい。
 皆の目の端から、つぅっと一雫の涙が頬を流れる。

「「「「「何だか……虚しい……な……」」」」」











 竜騎士隊が星を見上げ、何とも言えない寂寥感を感じている時、その元凶たる士郎は、尋問が行われている天幕の中にいた。

「さっさと吐け! 貴様たちを助けた者は誰だ!!」
「本当に分からないんだ……あの赤い光りが爆発した時から記憶が曖昧なんだ……本当に……分からないんだ」
「……クソッ。連れていけ」

 椅子の上に縛られた男を尋問していた男が、悪態をつきながら後ろに控えていた部下に命令する。命令を受けた部下は、男を縛っていた縄を解くと、天幕の外に連れ出す。部下が男を連れ出すのを確認した尋問をしていた男は、天幕の奥まで下がると、椅子に座って尋問の様子を見ていた男たち――将校たちの前で頭を下げた。

「やはり嘘は言ってはいないようです」
「記憶がない……か。お前の言うことが本当ならば、奴らは死んでもおかしくない怪我をしている筈だな」
「そのはずです」

 眼鏡を掛けた将校の一人が、天幕の壁の端に立つ、赤い甲冑を着た男に話しか
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