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〜烈戦記〜
第三話 〜凌陽関〜
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『おい、誰か!!今の時間関庁の警備してる奴を知ってる奴いるか!?』
『確か牌頻と陳常が居た気がします!!』
『よし、あいつらには悪いがワシらの為じゃ。犠牲になってもらおう。それでいいか?』
『うん。父さんに伝えとくよ。』
『『ウォー!!』』

兵士達から一斉に歓声が上がる。
そんなに休みたいのかこの人達は。
凱雲が若干顔を渋らせながら僕のそばまで来る。
多分何か良からぬ事が起きたのだとは察したようだが既に遅い。
ニヤニヤして凱雲を見る兵士達の中を凱雲が歩いて来て僕の所にくる。

『豪帯様、良く寝られましたかな?』
『おかげでね』
『いえいえ』


『ところで兵士達からはなんと?』

一瞬で場が静まり返る。
兵士達は次の僕の言葉に固唾を飲んで待った。

『いや?みんな僕に会えて嬉しいってさ』

『帯坊様!!』
『帯坊様!!』

兵士達からまたも歓声があがる。
結局様付けはしても僕は帯坊のままなのか。
そこに少し不満を感じたが今は不問にしよう。
凱雲は見え見えの嘘に溜息をついていた。
凱雲には悪いが僕もあの二人には返さなければいけない借りがある。
それに近い内に兵士達との密約は明らかにされる。
それまでは我慢してもらおう。

『あ、それより凱雲。寝なくて大丈夫?』
『いえ、職務は職務ですので』

やはりこう返されるのか。
だが、折角のいい機会だ。
ここはもう一つ兵士達に恩を売っておこう。
よかったな、兵士諸君よ。
今僕は最高に気分がいい。


『ダメだよ。凱雲が体壊しちゃったらそれこそ一大事だよ』
『いえ、私はこういった事には慣れていますので』
『慣れていたっていつかはそのしわ寄せがきちゃうよ。無理せずに今日くらい…』
『兵士達もそれは同じです。それなのに私だけが休んでいては示しが付きません』

ぐぬぬ。
中々引き下がらないな。

だが、僕だってここで引く訳にはいかない。
さっきから僕へ浴びせられている兵士達の無言の応援と期待に僕は答えなければいけない。
そうだとも。
今の僕は兵士達の希望そのものなのだ。
兵士達よ、任せておけ。
そう僕は背中で語った。

僕は奥の手を使う。

『…なんかごめんね。僕が村を出るのが遅れたばっかりに』
『いえ、別れを惜しむのは誰しも同じですよ』
『でもそのせいで予定が狂って寝れなかったんでしょ?』
『いえ、そんな事は…』
『なのに僕はこんな時間までグッスリ寝ちゃって。それに良く考えれば僕が村で話をしてる時もずっと凱雲は後ろで何も言わずに待っててくれてて…凱雲だって相当疲れてるはずなのに僕は…』
『…』


沈黙。

僕にはこれが精一杯だ。
流石にこれ以上は怒られる。
みんなもそれは
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