第三話 〜凌陽関〜
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で!?』
『足が!!』
『お前ら!!』
『あ、帯坊!!』
『いつから生えとった?!』
ゲシッ…ゲシッ
『あだ!!』
『いっ!?ワシも?!』
『同罪だ!!』
本当なら後ろから脅かしてやるつもりだったが…こいつら。
『会いたかったぞ!!帯坊!!』
『暇だっただけでしょ』
『いやいやそんな事はないぞ?ワシらはいつだってお主をからかいたくてウズウ…』
ゲシゲジッ
『いぎっ!!』
『だだだっ!!もうお前喋るな!!』
こんな感じで少し話をした。
帯坊と言うのはこの関の人、特に兵士の中での僕の呼ばれ方で、最初の頃は皆関主の子供という事で豪帯様と様付けで呼ばれていたのだが、何故か関にくる度に呼び捨てに近づき、今ではすっかり"坊"扱いである。
今、坊を付けずに呼んでくれるのは父さんと凱雲くらいだ。
だから僕は二人が大好きでその他が大嫌いだ。
『お前ら父さんに言いつけてやるからな!!』
『まぁ気を直せって帯坊。ワシらはお前が大好きで寂しかったんじゃよ』
『う、うっさいばーか!!』
僕はお前達が大嫌いだという事を伝えてその場を後にした。
『あー面白かった』
『あんまりからかってやるもんじゃないぞ?あれでも一応18を数えておるんじゃからな、そろそろ面子が出てくる』
『そりゃそうじゃが…帯坊は変わらんのー』
『…じゃな、大切に育てられておる』
『だが、いずれ帯坊も豪統様の後を継いでワシらの上に立つ時がくるのかと思うと…心配じゃ』
『…』
『今のご時世じゃ、まだここら辺は治安がいいが、中央では政治が荒れておるそいじゃないか。…いずれここにもその波はくるじゃろ。だから政治に巻き込まれたその時、帯坊は変わらず純粋でおれるのかの』
『そん時はワシらがしっかり支えてやればいいじゃろ。帯坊は帯坊のままでええ』
『…じゃな』
『まったく、あいつらは僕をバカにするが一応上司の子供だぞ?別に威張るつもりはないけど、もうちょっと接し方があるだろ…まったく』
愚痴が後から後からこぼれて来る
僕はブツブツ言いながら関庁の廊下を歩いていた。
『だいたい父さんも父さんなんだよ!!上司として自分の息子が坊扱いされてるのにいつも変わらずニコニコ見てるだけで…』
なんだろ…
そんなに背が低いのは威厳が無いのだろうか。
凱雲は昨夜ああ言ってくれたが、今の扱いをされた後だと将来が不安である。
いずれ父さんの後を継ぐ時がくる
その時は僕が彼らの上に立たないといけない。
『…父さんにばっかり頼ってられないな』
今度バカにされた時はハッキリ言ってやろう。
僕はもう子供じゃないんだと。
あるこれ考えてる内に父さんのいる事務室の前にくる。
父さんは大
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