第72話 そして、伝説へ・・・
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なんだ、これは?」
俺は目の前の用紙を読み終わると、目の前の女性に質問する。
「私の自伝「そして、伝説へ・・・」です」
女性は誇らしげに胸をはった。
「この男って、俺のことか」
「はい!」
目の前の女性は嬉しそうに頷いた。
「自伝で、嘘はいけないよ、嘘は」
「そうですね」
「ふーん。違うのね」
いつの間にか、俺の部屋に入り込んだ、セレンとテルルも俺の意見に賛成している。
いや、テルル。俺を疑っているのか。
「じゃあ、この女の子は誰の子どもなの?」
テルルは、俺の膝の上でちょこんと座っている女の子を視線で指し示す。
「そ、それはだな・・・」
「正直に言いなさい!」
「私たちを相手にしなかったのは、こういう事だったのですね」
テルルとセレンが詰め寄ってくる。
「ルーラ!」
俺は、身の危険を感じて逃げだそうとした。
しかし、不思議な力でかきけされた。
いや、不思議な力ではない。
俺が自分の部屋の防犯機能を高めるため、バハラタ東の洞窟を研究したのだ。
防犯には役に立つと考えて採用したが、裏目に出たようだ。
自分がこの部屋からルーラで逃げ出すことなど想定していなかった。
「逃げられません」
セレンは、いつもの優しい笑顔で(ただし目は笑ってはいなかった)、素早くアサシンダガーを握りながら俺に近づいてきた。
「正直に言いなさい」
テルルも、いつもの悪戯っぽい微笑みで、旅の土産にと購入した、鋼のハリセンを右手に構える。
「私は別に構いません。私と結婚してくれるのなら」
勇者は、三本のムチをまとめたグリンガムのムチを持ちながら、やさしい声で俺に話しかける。
「お父さん。誰が私のお母さんなの?」
女の子は、目の前にいる三人を眺めながら俺の服の裾を引っ張りながら質問する。
どうやら、俺の冒険はここで終わったようだ。
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そして伝説がはじまった・・・!
TO BE CONTINUED TO
DRAGON QUEST T
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