第71話 そして、真実へ?・・・
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るということか」
俺は、トシキの事を思い浮かべる。
そうなると、大魔王を倒した、3人の姉妹はどうなったのだろうか。
元の世界に帰ったと聞いているが。
「彼女たちは、もうこの世界にはいない」
「そうか、・・・」
俺はため息をついた。
俺が、もしもゾーマを倒していたら、そのまま元の世界に帰ったのだろうか。
「まあ、この世界こそが現実世界で、貴様がいた世界の方が、貴様の空想の中にある世界かもしれないぞ」
「まさか、それは・・・」
俺は、驚愕していた。
それまで、脳内で話しかけていた男の考えは俺自身が考えていたことでもある。
だが、「この世界だけが現実」という発想はなかった。
「だが、この世界と技術水準が違いすぎる」
この世界には、パソコンなど存在しない。
発想すらない。
パソコンがこの世界に登場するには、あと何百年、時間が必要なのだろうか。
「そうだな」
男の声はあっさり事実を受け入れる。
「あっちの世界では、人類の脅威となるモンスターもいなければ、魔法という科学とは異なる技術体系も無いはずだ」
俺はうなずく。
完全には納得していないが。
「この世界と、時間の進み方が異なれば、あちらの世界の技術が進んでいても問題ないのでは」
男の声に反論することは出来なかった。
「・・・結局、何が言いたい」
「この世界がどうなっているのかという事を確認するには、この世界から外に出なければわからないということだ。
俺は、この世界をある程度変えることができる。
だが、俺はこの世界の外には、出ることができない。
だから。外の世界の情報は一切与えられていないのだ」
「この世界は、閉じた世界ということか」
「そうだ、俺ができることは、この世界の外に追い出すことだけだ」
「そうか、そうだな」
「さて、貴様はどうしたい?」
「どうしたいとは」
俺は思わず聞き返す。
「この世界から、出たいのではないのかな」
「・・・」
「貴様が望むのなら、この世界から出してやろう」
「出たら、どうなる?」
「さあ?」
男の声はにべもない返事だった。
「あの、3姉妹はどうなった?
あの3姉妹も、お前の力で返したはずだ」
「どうなったのだろうな?
元の身体に戻れたかもしれないし、戻れなかったかも知れない。
まあ、3人の記憶を確認する限り、最低2人は死んでいたようだ。
戻れたとしても1人だけだろう。
それに、この世界と他の世界との流れが異なるようだな。
元の身体に戻れたとしても、一体何年後いや何百年後になるかわからない。
どうでもいいことだが」
「元の身体が死んでいる場合は、どうなるのだ?」
「さあ?
この世界なら、さまよう魂になるか、別の魂の抜け殻に入り込むことしか出来ないが。
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