SAO編−白百合の刃−
SAO35-攻略組の集まり
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サの婚約者であろう茶髪の女性プレイヤーに声をかけた。普段の私なら、誰かに声をかけることなんてそうそうしないが、黙っていたら変に絡まれそうな気がする。それを事前に防ぐためでもある。
「あ、はい。わたしはアユミと申します。た、タカちゃんの嫁です」
「知ってる」
「えっと……わたしはフィールドに出てモンスターと戦うことはできませんが、料理、裁縫などで皆さんのサポートができればいいと思ってます」
「そう……」
私が素っ気ない態度を取っているせいか、アユミというプレイヤーは戸惑っている様子で一度も目線を合わせないようにしている。そんなこと気にしなくてもいい……なんて思っても、無理な話になってしまうのかしらね。
「そんなことない! アユミのサポートがあるからこそ今日も頑張れるんだよ!」
黙ってと言ったのに、堪え切れずにタカサはアユミに抱きしめて慰めた。もういいわ、勝手にすればいい。アユミの方もタカサに慰められて良い顔している。
「ドウセツちゃん、あまりアユミちゃんをいじめないでね」
「別にいじめてないわよ」
「これからのことも言っているのよ」
「これから……ね」
マリリーはどういう意味で私にこれからを言っているのかがイマイチわからない。
「それにしてもー、ドウセツちゃん変わったわね」
一瞬マリリーの言葉に理解が追いつかずに反応が遅れてしまった。
「は?」
「聞こえなかった?」
「聞こえていたわよ。……なにが変わったって言うの?」
「そういうところよ」
まるで悪戯を楽しむ小悪魔のように微笑むマリリー。意味がわからない。意味わからないけど、実際私は変わったのだろう。キリカとの出会いで今までの私のままでいられなくなってしまった。それだけでも変わったと言えるなら間違いなく変われた。ただ、それがマリリーにも見破られてしまったのか? なんかそれは嫌。というか、私が変わったから、踏み入れたくないところに足を入れて来たマリリーがムカつく。
「……私は、今も昔も変わらないわよ」
「ケッ。そう言うところは、ムカつくくらいにいつも通りだな」
エックスは睨んで呆れた顔をする。この人はなんなのかしら、別にそんなこと言う必要ないと思うわ。
「俺はドウセツとあんま喋ったことないけど、だって俺には嫁がいるし」
「嫁自慢するんだったら嫁のところへ行ったらどうなの?」
「バカ言うなよ。アユミはイチと一緒に昼飯を作りに行ったんだ。邪魔するわけにはいかないよ」
いつのまにか、周りにはアユミとイチがいなかった。いなくなったから、タカサは私に絡みに来たということね。
「で、何が言いたいの?」
「嫁自慢したらしばくぞ」
「エックス……君は一応女の子なんだから、もうちょっと言葉遣いなんとか
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